年末調整が必要な理由(所得税の仕組み)

今回は、年末調整が必要な理由と、所得税の仕組みについて紹介します。みなさんは従業員に給与を支払う際に「源泉徴収税額表」に基づいて源泉徴収をして、従業員の所得税を納付していると思います。しかし、毎月源泉徴収してきた税額の合計と従業員が納めるべき税額(年税額)が一致することはほとんどなく、多くの場合に「ズレ」が生じます。つまり、毎月天引きしている所得税額は概算でしかないということ。これが、年末調整が必要になる理由です。※2017年4月4日に更新

源泉徴収税額と年税額がズレる原因

源泉徴収税額と年税額は、たいていの場合にズレます。では、なぜ差が出るのでしょうか。

給与額が変動するから

源泉徴収税額表は、年間を通して毎月の給与額に変動がないことを前提につくられています。しかし、実際は従業員の給与額は年の途中で、昇給・減給などによって変動するため、ズレが出ます。

扶養家族の人数が増減するから

年の途中で、結婚・出産・離婚などで扶養家族の数に増減があった場合、以後の給与支払いから源泉徴収額を修正します。さかのぼって修正することになっていないため、ズレが出ます。(例:配偶者控除扶養控除

保険料が控除されていないから

生命保険料や地震保険料などの控除額は毎月の源泉徴収の際には考慮されていないため、そもそもズレがあります。これらは、年末調整の際に控除することになっています。

所得税の仕組み

所得税は、個人の所得にかかる税金です。1年間(1月から12月)の所得合計から所得控除を差し引いた額に所得税率を適用したものが所得税額となります。また、平成25年から平成49年までは、所得税とあわせて復興特別所得税を納付することになっています。

「給与所得者」の所得税・復興特別所得税

給与所得者の所得税、および復興特別所得税は、月々の給与と賞与から源泉徴収されるしくみとなっています。源泉徴収とは、給与の支払者が給与・賞与等から税金を天引き(徴収)し、国へ納税する制度です。

給与の支払者は、給与・賞与の支払いの都度、「給与所得の源泉徴収税額表」を参照して所得税額(源泉徴収税額)を求めます。さらに、求めた所得税額に税率2.1%を乗じて復興特別所得税額を計算します。

給与の支払者は、源泉徴収した 所得税 + 復興特別所得税 の合計額を「給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書」に記載し、翌月10日までに税務署または金融機関で納付します。納期の特例の承認を受けている場合は、1~6月分を7月10日まで、7~12月を翌年1月20日までに納付します。

なお、源泉徴収した所得税額の合計と、従業員が納めるべき年税額との差額については、年末調整で精算します。

控除対象配偶者

納税者(従業員)に配偶者があり、配偶者の年間合計所得が一定以下の場合は「控除対象配偶者」に該当し、「配偶者控除」、または「配偶者特別控除」を受けることができます。

源泉徴収の免除証明書

給与の支払者は、非居住者に対して給与・賞与(国内源泉所得)を支払う際も所得税を源泉徴収します。ただし、「源泉徴収免除制度」により、非居住者から「源泉徴収の免除証明書」の提示があった場合は、証明書に記載されている内容、有効期間の範囲について、源泉徴収をしません。

年末調整は給与支払者(会社など)の義務?

所得税額にズレがあるのなら、従業員が自ら 確定申告して精算すればいいという話にもなりますが もし全国で何千万人もの人が確定申告をすることになったら 税務署は対応しきれません。

また、従業員が精算するより 会社が毎月の源泉徴収の延長として精算したほうが 正確な納税が期待できます。

このような理由から、会社は税務署に代わって 従業員の税金を精算するよう義務づけられています。 「今年は忙しいから年末調整はやらない!自分で確定申告しといてね」 なんてことは言えないのです。

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