労災保険

労災保険は、業務中や通勤の途中に労働者が事故・災害にあった場合に、被災労働者や遺族へ必要な保険給付をする制度です。1人でも従業員を雇用した場合、事業主(会社など)は労災保険に加入する義務があります。加入義務がないのは、個人経営の農業・水産業で労働者数が5人未満の場合、個人経営の林業で常時雇用がない場合です(=任意適用事業)。ただし一定の要件を満たすことで特別加入できます。※2017年1月27日に更新

労災保険への加入手続き

事業主が労災保険に加入するには、労働基準監督署へ「保険関係成立届」を提出します(保険関係が成立した日から10日以内)。成立届を提出した後か、または成立届と同時に「概算保険料申告書」を提出し、概算保険料を納付します(保険関係が成立した日から50日以内)。

保険関係が成立するのは、事業(労働保険の適用事業)開始の日です。概算保険料申告書の提出と保険料の納付は、労働局や金融機関でも手続きできます。なお、労災保険は事業単位で加入するため、加入後に従業員を雇用した場合でも手続きは不要です。

労災保険の被保険者

労災保険の被保険者は、労災保険に加入した事業者に勤務するすべての従業員です(パート・アルバイト等を含む)。

労災保険料の計算と納付

労災保険料は、「賃金総額」×「労災保険料率」で算定し、年に1度、労働保険料として雇用保険料とともに労働基準監督署へ納付します。 「賃金総額」とは、労働保険の保険年度内(4/1~3/31)にすべての従業員へ支払った賃金の総額です。 労災保険料率は業種により異なり、危険度が高い業種ほど保険料率が高くなります。 厚生労働省のウェブサイトで労災保険率を確認しましょう。ちなみに、また、労働保険料は会社が全額負担します(従業員の負担はありません)。

労災保険の対象となる災害

労災保険の対象となる災害には、「業務災害」と「通勤災害」の2つがあります。

  • 業務災害

    業務が原因となる負傷、疾病、傷害、または死亡のことを「業務災害」といいます。 労災保険の適用される会社に雇われ、事業主の管理下のもと、業務が原因となって発生した災害です。

  • 通勤災害

    主に通勤中に負った負傷、疾病、傷害、または死亡のことを「通勤災害」といいます。 「通勤」とは、住居と就業場所/就業場所から他の就業場所/単身赴任先住居と帰省先住居の往復を指します。 通勤や就業と関係のない目的で経路を中断・逸脱したときに起きた負傷は通勤災害に含まれません。 「関係ない場所への立ち寄り」「飲酒」などをした後に元の経路に戻った場合も、通勤災害に該当しません。

労災保険の給付

労災保険の給付には主に以下のものがあります。 労災保険の給付を受けるには、被災した労働者や遺族等が労働基準監督署へ「保険給付請求書」を提出する必要があります。

  • 療養(補償)給付

    傷病により療養する際にかかる医療費の80%~100%を支給

  • 休業(補償)給付

    休業の4日目から、1日につき「給付基礎日額」の60%相当を支給 (1年半以上休業する場合は傷病年金を支給)

  • 遺族(補償)年金

    遺族数に応じて、「給付基礎日額」の245日分から153日分の年金を支給(「給付基礎日額」=「直前の3ヶ月間の総賃金」÷「直前の3ヶ月間の総日数」)

このほか、障害(補償)給付、葬祭料、二次健康診断等給付などがあります。また、上記に加え、社会復帰促進等事業として「特別支給金」が支給されることがあります。

まとめ

  • 事業主が労災保険に加入するには、「保険関係成立届」と「概算保険料申告書」を労働基準監督署へ提出して、概算保険料を納付
  • 労災保険料は、「賃金総額」×「労災保険料率」で計算し、雇用保険料とともに労働保険料として労働基準監督署へ納付(年に1度)
  • 労働保険上の災害は「業務災害」と「通勤災害」の2種類
  • 給付を受けるには、被災した労働者や遺族等が労働基準監督署へ「保険給付請求書」を提出

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