給与明細の控除項目

労働基準法において賃金は全額支払われることが原則とされていますが、法律や労使協定によって定められた項目については、給与から控除することが認められています。これらの項目が控除項目です。従業員に対して実際に給与として支払われる金額は、給与明細の支給項目から控除項目を引いた差引支給額であり、いわゆる「手取り給与」と言われるものです。※2017年10月11日に更新

「法定控除」と「その他控除」の違いは?

控除項目は、「法定控除」と「その他控除」に分類できます。法定控除は法律によって控除しなければならない項目とされています。その他控除については、企業と従業員の間で労使協定によって給与から控除することを取り決めた項目です。協定控除とも呼ばれます。

法定控除の具体例

法定控除に該当するものは以下の通りです。法定控除に当たる項目の中でも、税金(所得税住民税)と社会保険料(健康保険厚生年金保険介護保険雇用保険)に分けられます。

  • 所得税

    所得税は、年間所得に応じて課される税金のことです。従業員の給与から天引きした所得税は、企業が税務署に納付します(源泉徴収)。毎月、天引きされる所得税は見込み金額であるため、最終的に年収が確定した段階で差額が生じた場合、年末に調整を行うことになります。

  • 住民税

    住民税は、前年の所得に応じて課される税金のことです。従業員の給与から天引きした住民税は、企業が各自治体に納付します(特別徴収)。企業は自治体から届く「納入通知書」に記載されている住民税を確認する必要があります。

  • 健康保険料、厚生年金保険料、介護保険料

    これらの社会保険料は、従業員と企業がそれぞれ負担します。給与から控除した従業員の負担分と企業の負担分をあわせて、健康保険組合、社会保険事務所に納めます。

  • 雇用保険料

    雇用保険は、労働者が失業した場合に生活を保障し、再就職を支援するために存在する社会保険制度です。雇用保険料の従業員負担分の料率と企業負担分の料率は、事業の種類(一般の事業、農林水産・清酒製造の事業、建設の事業)により異なり、毎年見直されます。それぞれの負担分を合算して、年に一度、労災保険料とともに都道府県労働局に納めます。

その他控除の具体例

前述の通り、その他控除は企業と従業員が労使協定によって、書面上で合意した控除項目を指します。逆に言えば、労使協定で取り決められていない項目については、いかなる場合でも給与から控除できないということです。その他控除の具体例には、以下のようなものが挙げられます。

  • 寮や社宅費

    従業員に対して、会社が所有する寮や社宅を貸与する場合、家賃料相当額が給与から控除されます。

  • 親睦会費

    従業員同士の親睦を深めることを目的とした会の費用として、給与から控除されます。

  • 財形貯蓄

    従業員の財産形成の手段として、給与から控除した金額を会社が積み立てます。

  • 組合費

    会社が加入する労働組合の組合費として、給与から控除されます。

まとめ

  • 控除項目とは、給与からの控除が認められているものを指す。
  • 法律によって控除が定められている「法定控除」は、所得税や住民税、社会保険料などが該当する。
  • 企業と従業員が労使協定で取り決めた項目も、「その他控除」として給与から控除できる。

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