フレックスタイム制なら残業代ゼロ?

昨今、導入する企業が増えている「フレックスタイム制」。賛否両論ありますが、従業員がワークライフバランスをとりやすくなり、モチベーションや生産性の向上につながるケースもあるそうです。導入すれば、残業代を削減できるかもしれません。

Q.フレックスタイム制を導入すれば、残業代を支払わなくていい?

フレックスタイム制は、法定労働時間(1日8時間・1週40時間)を超えて、従業員が働ける制度です。導入した場合、従業員は自由に時間を決めて働くことになります。では、フレックスタイム制の残業代の取扱いは一体どうなるのか。もしや、支払わなくてよいのでしょうか?

Answer 気になる答えは・・・

A.「No」です!

フレックスタイム制を導入したとしても、「清算期間における総労働時間」を超えて従業員を労働させた場合には残業代が発生します。このことを誤解していたり、残業時間・残業代を曖昧にしていたりするために、トラブルを抱えることもあるようです。無用なトラブルを避けるため、まずはフレックスタイム制のルールを理解しておきましょう。※2017年6月19日に更新

フレックスタイム制を導入するには?

フレックスタイム制を採用するには、就業規則などによって「出勤・退勤の時刻を従業員自身が決めることができる旨」を定めます。さらに、労働組合あるいは 従業員の過半数を代表する者との労使協定によって、 以下の事項を定めなければなりません。

  • 対象となる労働者の範囲

    対象となる労働者の範囲は、従業員ごと、課ごと、またグループ・セクションごと等、様々な範囲が考えられます。たとえば、「全従業員」でも構いませんし、「企画部の全職員」というように限定してもOKです。

  • 清算期間

    労働契約上、従業員が労働すべき時間を定める期間です。「毎月1日から月末まで」のように 起算日と長さ(1ヶ月以内)を定める必要があります。

  • 清算期間における総労働時間

    清算期間内に従業員が労働すべき、所定労働時間のことです。原則として、法定労働時間を超えて定めることはできません。1週あいだの法定労働時間が40時間で、清算期間が1ヶ月の場合、法定労働時間は以下のようになります。

    暦日数 28日 29日 30日 31日
    法定労働時間 160.0時間 165.7時間 171.4時間 177.1時間
  • 標準となる1日の労働時間

    標準となる1日の労働時間とは、年次有給休暇を取得した際に、これを何時間労働したものとして賃金を計算するのかを明確にしておくためのものであり、時間数を定めることで足りるものです。フレックスタイム制の対象となる従業員が有給を1日使った場合に、その日は「標準となる1日の労働時間」だけ働いたものとして 取扱う必要があります。

  • コアタイムとフレキシブルタイム

    フレックスタイム制には、勤務すべき時間帯(コアタイム)と、いつ出勤・退勤してもよい時間帯(フレキシブルタイム)があります。コアタイムを設けず、すべてをフレキシブルタイムとすることも可能です。

    ただし、コアタイムが「標準となる1日の労働時間」と同程度である場合、フレキシブルタイムの時間帯が極端に短くなり、問題です。たとえば、フレキシブルタイムが30分しかない場合や、フレキシブルタイムの時間帯が30分単位になっていて、その中から始業・終業時間を選ぶような場合は、出勤・退勤の時間を従業員が自主的に決定しているとは言えず、フレックスタイム制の趣旨に反することになるため、注意が必要です。

フレックスタイム制の残業代

清算期間における総労働時間を超えて働いた時間に対しては、残業代が発生します。たとえば、清算期間における総労働時間が170時間で、実労働時間が180時間であった場合は10時間分の残業代が発生します。 ちなみに、この10時間を翌月に持ち越す(翌月の清算期間における総労働時間と相殺する)ことはできません。

▼実労働時間が不足した場合は?

たとえば、清算期間における総労働時間が170時間で実労働時間が160時間であったとします。この場合、不足した10時間分に応じた金額を当月分の給料から減額できます。また、不足した10時間を翌月に持ち越すことも可能です。

まとめ

フレックスタイム制にすれば必ず残業代を削減できるということはありません。フレックスの目的は、あくまで業務効率の向上であり、その先に残業代削減の可能性が見えてくるということを、お忘れなく。

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