仕事が遅い従業員でも残業代はカットできない

時計と男性

社員が残業をする理由は、単に仕事量が多いことだけではありません。あなたの会社には、以下のような理由で残業をしている社員はいませんか?

  • 仕事が遅い(生産性が低い・ミスが多い)せいで、定時で終わらない
  • 残業代を稼ぎたくて、あえてゆっくり仕事をしている
  • 上司が残業しているから、自分だけ早く帰るわけにいかない
  • 遅くまで会社にいることで、周囲に「頑張っている」アピールをしている
  • 家庭がうまくいっていないなど、家に帰りたくない事情がある

このような理由で残業をしている社員には、残業代を払いたくないと考えるのは当然です。では、ダラダラ残業をしている社員に、残業代を支払わないことができるのでしょうか?

結論から言えば、「仕事が遅いから」「ダラダラ仕事をしているから」という理由で社員の残業代をカットすることはできません。原則として、会社の指揮命令を受けて残業をしているなら残業代を支払う必要があります。※2020年10月11日更新

残業を黙認すると残業代が発生する

会社の指揮命令がないのに勝手に残業をしているのなら残業代は発生しません。ということは、ダラダラ残業には残業代は発生しないように思えますが、実際はそうではないのです。なぜなら、この指揮命令には「黙示」の指揮命令も含まれるからです。もし、会社がダラダラ残業を知っていて黙認していたのであれば、それは「黙示」の指揮命令があったとみなされる可能性が高く、残業代の支払い義務が生じることになります。

定時退社の制度を導入する

もし会社が、ダラダラ残業をしている社員や、無駄に居残っている社員に残業代を支払いたくないと考えるのであれば、強制的に定時で帰宅させるのも一つの手です。残業時間が発生しなければ、当然、残業代が発生することもありません。

残業を事前承認制にする

たとえば、原則として残業するのを禁止して、どうしても残業をしなければならない事情がある場合は、事前に上司の承諾を得たうえで残業するシステムにするのもいいでしょう。上司がその都度、残業を許可するシステムにしておけば、残業についての「黙示」の指揮命令は減ることになるはずです。

労働時間が長い=評価が高い?

仕事が速く、毎日定時に帰宅するAさんと、仕事が遅く、毎日遅くまで残業しているBさん。基本給はAさんのほうが高くても、残業代をフルでもらっているBさんのほうが給料の総額は高い――このように、仕事が遅い人ほど残業が多くなり、多くの給料を手にしているというケースが少なくないようです。これでは、Aさんが不満を募らせるのは当然ですよね。御社だったら、この状況をどう考えますか? 遅くまで働いているという事実だけを見て、「Bさんはいつも頑張っている」と評価しますか?

仕事が遅い従業員の時間の使い方を改善しましょう

仕事が遅い(無駄な残業が多い)社員は、もちろん本人に問題があることも多いと思います。とはいえ、そのまま本人任せで仕事をさせている会社にも問題はあるのではないでしょうか。

基本的に、社員の仕事のペースや進め方は会社がコントロールすべきことです。仕事が遅い社員がいるのであれば、一度、その社員の仕事の進め方や1日の労働時間の使い方をチェックしてみましょう。「もっと効率化できる部分はないのか?」「どの過程で無駄が生じているのか?」などを分析し、ともに見直しを図っていく姿勢が大切です。

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