年俸制でも残業代は発生する?

近年、スタートアップの企業などを中心に、「年俸制」を導入する企業が増えています。年俸制とは、給料の額を年単位で決める制度であり、一般的には社員と上司が話し合いを行うことで金額を決定します。今回は、この年俸制と残業代に関する出題です。

Q.年俸制を導入しても残業代は発生する?

従来の年功序列型の給与体系と年俸制を比較したとき、どちらが優れているかは一概に言えません。ひとつ言えるのは、年俸制は「成果主義」「実力主義」を反映しやすい給与体系だということです。年俸制は、社歴の長さや労働時間の長さではなく、仕事の成果に応じて給料を決定できるのがメリットだと言えるでしょう。

では、年俸制において「残業」という概念はあるのでしょうか?年俸制の社員が残業をしたら、その分の残業代を支払う必要はあるのでしょうか?

Answer 気になる答えは・・・

「Yes」です!

「年俸制=残業代が不要」と考えている方が多くいますが、これは大きな誤解です。年俸制を導入したとしても、管理監督者(※)でない労働者には、年俸のほかに残業代を支払う必要がありますし、裁量労働制や事業場外労働のみなし時間制が適用されない労働者にも別途、残業代を支払う必要があります。※2017年5月8日に更新

※労基法41条2項の「管理監督者」に該当すれば、残業代を支払わなくてもよい。(参考:給与計算クイズ「管理職には残業代を支払わなくていい?」

年俸制でも残業時間の管理が必要

労働基準法は、「法定労働時間以上の労働をした場合には年俸とは別に時間外割増賃金を支給しなければならない」と定めています。年俸制は、給料を1年単位で見直すことができる制度ですが、1年の間に社員がどれだけ働いても、支給する金額が変わらないという制度ではありません。

「年俸制なら残業時間を管理しなくていい」「人件費の変動が少ない」と考えて年俸制を導入する企業もあるようですが、これは誤りです。年俸制を導入していても、各社員の労働時間はきちんと管理しておかなければならず、もし残業をしているのであれば1分単位で残業代を支払わなくてはなりません。

残業代込みの年俸制は認められる!?

あらかじめ残業代として想定される金額を組み込んで年俸を決定する企業もありますが、これは許されるのでしょうか?この決め方自体はOKですが、注意点があります。年俸に残業代を組み込む場合は、基本給と残業代とを明確に区別できるようにして労働契約を結ぶ必要があるのです。年俸額のうちの残業代の金額(残業時間)が明確に区分されていれば、残業代込みの年俸制導入は可能です。年俸額に含まれた残業時間に達するまで、残業代を支払う必要はありません。もちろん、実際の残業時間が年俸額に含まれた残業時間を上回れば、超過分の残業代を支払わなければなりません。

まとめ

年俸制を正しく理解しないまま導入してしまうと、もしかしたら近い将来、未払い残業代を請求されてしまうかもしれません。「年俸制でも残業代が発生する」ということは、しっかり押さえておきましょう。

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