退職後の給与(賞与)からも雇用保険料を控除する

退職後の給与(賞与)からも雇用保険料を控除する

今回は、退職後の雇用保険料の控除について。そもそも雇用保険とは、従業員が退職してから次の仕事・職場を見つけるまでの間の所得を保障する保険です。「失業保険」と呼ばれることも多いですが、正式には「雇用保険」と呼びます。「失業手当」は、正式には「基本手当」です。

退職後、すぐに次の職に就いた人は基本手当をもらえませんが、すぐに職が見つからず失業した人は基本手当を受給できます(受給額は雇用保険の加入期間や離職理由によって異なります)。いずれにしろ、従業員の退職後に最終の給与(または賞与)を支払うことになると思いますが、この最終給与や賞与からも雇用保険料を控除するのでしょうか?※2020年10月11日に更新

雇用保険料は、給料を支給するつど天引きする

雇用保険料は、会社が給料を支払う際に、そのつど控除します。退職後に支払う最終給与でもそれは変わらず、退職日が末日でも月の途中でも変わりません。労働の対価として支払われた給料からは、雇用保険料を控除するのです。

退職後の賞与からも雇用保険料を控除する?

退職後の最後の給与からは、雇用保険料を控除します。では、退職後に賞与が支給された場合の扱いは、どうなるのでしょうか?ずばり、 退職後に支給される賞与の計算対象期間に、その従業員が雇用保険に加入していたなら、退職後の賞与からも雇用保険料を控除します。言い換えれば、退職した従業員に労働の対価として支給される賞与からは、雇用保険料を控除するのです。注意が必要なのは、いわゆる恩恵的な賞与(決算賞与で金一封、大入り袋など)の場合は、雇用保険料を控除しない場合もある点です。ただし、恩恵的な賞与であれば在職中の従業員からも雇用保険料を控除しないでしょうから、この点だけを厳密に覚えておく必要はないかもしれません。

雇用保険の資格喪失手続

従業員が退職したら、会社の担当者はハローワークに行き、雇用保険の資格喪失手続きをしなければなりません。ハローワークから「離職票」が発行されるため、それを退職者に渡します(郵送します)。退職者は、「離職票1(A4より少し小さいサイズのもの)」と「離職票2(A3サイズで文字が緑色のもの)」を持ってハローワークに行き、基本手当を受給します。

手続きの期限

雇用保険の資格喪失手続きは、従業員が退職した日の翌日から10日以内に行う必要があります。これが遅れてしまうと、離職票の発行が遅れ、退職者の基本手当の申請も遅くなります。また、退職者がすぐに次の職に就くときも、資格喪失手続きがなされていないと、次の会社で雇用保険の資格を取得できません。退職者本人にも、次の会社にも迷惑をかけてしまうため、速やかに手続きを。※雇用保険の受給手続きは退職者が自分でやります

まとめ

従業員が退職した後に支給する給与と賞与からは、原則として雇用保険料を控除します。ポイントは、最後の給与や賞与が労働の対価かどうかです。これで、退職後の雇用保険料については安心です。しかし、忘れてはいけないのが社会保険。労働保険とは対応が異なりますので、関連記事も読んでみてください。

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