振替休日と代休の違いとは

振替休日と代休

皆さんは、「振替休日」と「代休」の違いについて説明できますか?労働する日と休日を入れ替えるという意味では同じですが、給与計算上では大きな違いがあります。特に、代休については「休日労働」の割増賃金とも関連するため、給与計算する上では要注意です。※2020年5月28日に更新

振替休日と代休の3つのポイント

  • 振替休日とは、あらかじめ休日と定められていた日を労働日とし、その代わりに他の労働日を休日とする制度。事後的には取得できない。
  • 代休とは、休日労働が行われた後に、その代償として他の労働日を休日とする制度である。
  • 振替休日は、もとの休日に労働させた日は休日労働に該当しないため、休日労働の割増賃金を支払う必要はない。代休は実態として休日労働を行った後に与える休日なので、法定休日に労働させた場合は休日労働の割増賃金(35%以上)が発生する。

振替休日とは?

振替休日とは、あらかじめ休日と定められていた日を労働日とし、その代わりに他の労働日を休日とする制度です。振替休日を適用する場合は、休日出勤する日の前日までに振り替えるべき日を指定して、対象となる従業員に通知する必要があります。なお、振替休日を適用するためには、就業規則などに振替休日の規定を置く必要があります。定めがない場合、従業員に休日出勤をさせることはできません。

代休とは?

代休とは、従業員が休日出勤した後に、その代償として他の労働日を休日とする制度です。代休は、就業規則などに規定がなくても適用できます。法定休日に出勤した場合、労働基準法の「休日労働」になるため割増賃金(35%以上)を支払う必要があります。

振替休日と代休は何が違う?

振替休日と代休は、労働日と休日を入れ替える点においては同じです。違うのは、入れ替えるのが「事前」か「事後」かという点です。振替休日は事前に日を指定して、休日と労働日を入れ替えるのに対し、代休は労働があった後に代わりの休日を与えます。この違いは、従業員の給与計算に影響してきます。

法定休日の代休には「休日労働」の割増賃金

振替休日は、事前に労働日と休日を入れ替えているため、もともとの休日に労働させた日は休日労働にはなりません。そのため、会社は休日労働の割増賃金(35%以上)を支払う必要もなくなります。一方、法定休日に労働させた分の代休はあらかじめ休日を振り替えるわけではなく、実態として休日労働を行った後に休日を与えます。そのため、会社は従業員に休日労働の割増賃金(35%以上)を支払う必要があります。 なお、所定休日に労働させた場合、休日労働の割増賃金(35%以上)は発生しませんが、時間外労働の割増賃金(25%以上)が発生する可能性はあります。

振替休日と代休での賃金の差を計算してみる

時間あたりの賃金が1,200円の鈴木さんが、法定休日の5/28(日)に労働したとします。振替休日の場合と代休の場合で、賃金はどう変わってくるでしょうか?

振替休日の場合

5/29(月)を振替休日に設定したうえで、5/28(日)に8時間の労働をしたら・・・

5/28(日)は休日労働にならず、割増賃金も発生しません。賃金は通常どおりの9,600円(1,200円 × 8時間)となります。

代休の場合

5/28(日)に8時間の労働をして、5/29(月)に代休を取ったら・・・

5/28(日)は休日労働になるため、割増賃金が発生します。割増賃金を35%とすると、賃金は12,960円(1,200円 × 1.35 × 8時間)となります。

鈴木さんにとっては、振替休日より代休のほうが3,360円、賃金が多くもらえるというわけです。

振替休日を取るなら同一週内に

ただし、振替休日は上記の例のように同一週内に取得しないと割増賃金の支払が発生する場合があるため、注意が必要です。たとえば、1週目の月曜日から金曜日に通常どおり出勤してから土曜日に休日出勤し、2週目の月曜日に振替休日を取得した場合、1週目の労働時間が48時間となり、法定労働時間の40時間を超えます。よって、1週目の土曜日に支払う賃金は、時間外労働の割増賃金(25%以上)となります。

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