号俸と等級とは何か?

等級と号俸

従業員の職務遂行能力に応じた職能給の金額は、従業員の「等級」と「号俸(読み方:ごうほう)」によって決まります。「等級」は昇進によって上がり、「号俸」は在職年数や年間の評価によって上下するのが一般的です。※2020年10月17日に更新

等級と号俸の3つのポイント

  • 職能給の金額を決める基準となるのが「等級」と「号俸」。それぞれの等級の中には数十段階の号俸が設けられており、等級は昇進によって、号俸は在職年数や年間の評価によって定められる。
  • 号俸の設定によっては給与に成果主義的な視点を反映させ、年功序列型の給与との差を埋めることが可能。
  • 賃金制度設計は会社によって異なるため、自社の人材に対する考え方や価値観に沿った昇給方法を検討することが重要である。

等級は人材育成や処遇で使われる

等級制度は、個人の能力や仕事、期待役割の発展段階に対応した等級を設計し、従業員を各等級に位置づける仕組みです。個人の等級は人材育成や人材活用の基準になるほか、能力や貢献に応じた処遇(昇給、昇格、賞与)のために利用されます。

等級の中に複数の号俸がある

それぞれの等級の中には数十段階の号俸が設けられており、等級は昇進によって、号俸は在職年数や年間の評価によって定められます。基本給は勤続給や年齢給、職能給の3つで構成されますが、近年では個人の能力に応じて職能給を適切に決定することが重視されています。

会社や仕事内容で等級の基準は異なる

号俸・等級のいずれも採用している会社が一般的ですが、等級だけの会社もあり、賃金制度設計も会社によって異なります。また同じ会社でも、技術職や営業職、事務職などの職種によって等級の決め方はまちまちであることが一般的です。

等級と号俸を使った仕組み

新卒入社の社員は原則的に1等級からスタートしますが、高卒、短大卒、4大卒などの学歴によって号俸が変わるため、初任給の額に幅が生じます。たとえば「2等級の15号」の号俸と「3等級の5号」の号俸を同額に設定するなど、等級が下位であっても業績次第で給与が逆転する仕組みをつくることも可能です。号俸の設定によっては、等級が上がらない限り(昇進しない限り)給与も上がらないというシステムをつくることもできます。

年功序列の不満を解消するには

給与に成果主義的な視点を加味し、年功序列との不平等を解消するためには運用上の工夫が必要です。たとえば、ある等級を超えると評価が基準値より高い場合は昇給号俸をより多くし、評価が低ければ降給を組み込むなどといった方法があります。

段階号俸表の運用方法

「段階号俸表」は、号俸間の金額格差が少なく、多数の縦長の号俸が記載された号俸表です。人事考課の結果でS評価がされれば、5号俸昇給、A評価であれば4号俸昇給といった運用方法をとれば、人事考課の結果を給与に反映させやすくなります。同じ階級でも成績が優秀であるほうが、号俸昇給が多くなるため、従業員のモチベーションにもつながるでしょう。

納得しやすい人事制度を作りましょう

段階号俸表によって昇給ルールを明確にしておけば、降給があった場合も従業員が人事制度に納得しやすくなります。これらを適切に運用することで納得性の高い公正な処遇が可能になれば、組織の生産性が向上し、働きがいのある職場になるでしょう。

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