生活残業とは~特徴、背景、会社側のデメリット~

生活残業

従業員が生活費確保のため、意図的に遅くまで仕事をして残業代を稼ぐことを「生活残業」と呼びます。近年、日本社会が抱える長時間労働問題と密接に関わる要因として、問題視されています。今回は、生活残業の特徴と対策について。※2018年6月28日に更新

生活残業の3つのポイント

  • 生活残業とは、従業員が生活費確保のため、意図的に遅くまで働いて残業代を稼ぐことをいう。
  • 生活残業は経営面をはじめ、企業イメージにおいてもリスクが大きく、働き方改革による影響もあるため、企業は生活残業をなくすことに取り組む必要がある。
  • 生活残業への対策としては、「みなし残業手当の導入」「残業の許可制」などが考えられる。

生活残業とは?

生活残業とは、従業員が基本給だけでは自分や家族の生活を支えるのには不十分と考え、業務上は必要ないにもかかわらず残業代目当てに自主的に残業することです。こうした行為の根本にあるのは、「会社に残ってさえいれば残業代が支払われるから得をする」「残業代支給を見込んでローンを組んでいる」といった従業員の考え方です。

生活残業の背景

こうした状況を悪化させてしまう背景には、長時間労働の従業員に高い評価が与えられるという日本企業ならではの価値観もあります。従業員一人ひとりの勤務実態を正確に把握することなく、ただ単に勤務時間の長さだけを評価基準としてしまうと、このような悪循環に陥りかねません。

生活残業による会社側のデメリット

生活残業は、以下のような形で会社に悪影響を及ぼします。

多額の人件費がかかる

生活残業をする従業員を放置していると、企業は高額な残業代を支給しなくてはならなくなり、人件費が膨れ上がります。万が一残業代の未払いが発生してしまった場合、訴訟や労働審判を起こされてしまう可能性もあるでしょう。そうなれば経営的に大きなダメージを受けるだけでなく、世間から「ブラック企業」と認識されてしまうリスクも高まります。

義務違反の責任を問われる

また、生活残業を容認している会社において従業員が体調不良で出勤できない状態になった場合、労災や安全配慮義務違反の責任を問われるかもしれません。これは労災・安全配慮義務違反が該当するかどうかの判断に、直近の労働時間が大きく関わってくるためです。そのほかにも、労働基準監督署から立ち入り検査を受けやすくなるため、生活残業はなくしていく必要があります。

働き方改革による影響

政府主導で取り組まれている「働き方改革」法案では、残業時間に上限を設けることが決まりました。この法案により、生活残業を減らす気運がさらに高まると予想されます。従業員、会社側の双方で、生活残業を減らすための策を講じる必要が出てきているといえます。

生活残業を削減するには

会社側にデメリットのある生活残業を減らすには、以下のような方法があります。

みなし残業手当を導入する

生活残業の削減対策として、「みなし残業手当を支払う」という選択肢があります。あらかじめ一定時間の残業代を毎月固定で支払うようにすることで、月ごとの人件費の変動を最低限に抑えることができるのです。

残業を許可制にする

残業を許可制とし、正当な理由のある残業以外は認めないというルールを運用するのも、生活残業の削減には非常に効果的です。ただし一方的な残業禁止令は従業員が反発する恐れがあるため、ある程度は柔軟な対応が求められるでしょう。残業そのものを減らすには、仕事の効率を上げる施策も重要です。

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