給与前払いサービスとは?その仕組み、メリット、注意点について

給与前払いサービスとは

給与前払いサービス(給与即時払いサービス、給与即日払いサービス)とは、給料日前に従業員の申請によって給与の一部を前払いするサービスです。従来の「前借り」と異なるのは、申請時点までの勤務実績をベースとしている点。タイムカードなどの勤怠情報をもとに、申請時点までの給料が計算され、一定割合の金額が前払いされます。※2018年10月26日に更新

目次

給与前払いは業務負担が大きい

給与前払いは大変な仕事

従業員側の給与前払いに対するニーズは高いものの、自社の経理担当者がひとりひとりの勤怠からその時点で前払いできる給与を計算するのは容易ではありません。すべての従業員の申請に応えるのは、現実的とはいえないでしょう。そんなときに役立つのが、給与前払いサービスです。

給与前払いサービスの種類

給与前払いサービスにはシステム提供型サービスとアウトソーシング型サービスの2種類があります。

  • システム提供型

    システム提供型サービスのほとんどは、企業側は予め支払い分のお金を準備する必要がありません。給与前払いサービス会社が、従業員から申請(スマホを使うことが多い)のあった分を立て替えて従業員に支払い、あとで企業側に請求される仕組みです。手数料は申請した利用者(従業員、スタッフ)の負担となり、支払われた給料の3~6%が差し引かれます。企業側にはシステム利用料が一切発生しないサービスも多く、賃金規定や労使協定の改正の必要もないため導入が容易です。

  • アウトソーシング型

    アウトソーシング型サービスは、企業側に「準備金」の用意や導入時の賃金規定、労使協定の改定などの負担が生じます。給与前払いサービス会社に対しては、事務処理を委託してその手数料を支払う形です。導入や運用にはコストがかかりますが、従業員側の手数料負担は軽減します。

新サービスが増えている

給与前払いは新サービスが続々

システム提供型の給与前払いサービスは、新たなサービスが続々と出てきています。各社ともに、利用者の利便性や手数料などで競争している状態です。たとえば、従業員が申請すれば即日で口座に入金されたり、コンビニの銀行ATMから24時間いつでも引き出せるようにしたりといった内容で、どんどん便利になっています。サービス導入前には、よく比較するようにしましょう。

給与前払いサービス活用のメリット

給与前払いサービスのメリット

給与前払いサービス活用の企業側のメリットとして、次のような点が挙げられます。

  • 前払い業務の負担が軽減される

    派遣やパート・アルバイトなどの募集では、よく「日払い・週払い可」という条件を目にしますが、大人数の社員を管理する企業では勤怠管理、給与計算、振込作業を個別に実施するのはかなりの手間がかかります。給与前払いサービスを提供する会社は、企業に代わって前払い業務を処理し、企業側では煩雑な事務作業の負担をせずに従業員の利便性を高められます。

  • 求人の応募数が増える

    給与前払いサービスを活用すれば、さほど費用をかけずに新しい形の福利厚生が実現できます。給与前払いサービスを雇用条件に加えれば、求人における応募者数増加の切り札となるかもしれません。福利厚生の充実をアピールでき、採用で他社との差別化が図れます。

  • 離職率が低下する

    従業員の手持ちの現金が不足すると、仕事の掛け持ちや安易なキャッシング利用の原因をつくり、会社への不満の元となります。給与の前払いシステム導入により、こうした状況が回避されて離職率の低下が期待されます。

  • 従業員の信用リスク低下を防ぐ

    借金やカード破産など、従業員の信用リスクの抑制にも役立つ可能性があります。

給与前払いサービス導入の注意点

給与前払いサービスの注意点

メリットの多い給与前払いサービスですが、導入する際には注意が必要です。

  • 手数料が高くなることがある

    特にシステム提供型サービスでは、従業員に課せられる手数料負担が6%にもなるケースもあり、これを利息と見なした場合には法定金利を超過してしまいます。たとえば、給料日の10日前に6%の手数料で前払いしてもらった場合、1日の金利が0.6%(年利219%)という考え方もできるのです。計算システムのみを提供するタイプや準備金のあるタイプであれば問題ありませんが、完全な立て替え式は現在グレーゾーンとして問題視されつつあります。

  • 企業型の運用コストが高くなることがある

    アウトソーシング型サービスの場合には、企業側の運用コストをどう抑えられるかが課題となります。サービス会社の手数料設定を比較し、サービス内容とのバランスを見極める必要があります。

  • 勤怠データの提供の手間がかかる場合がある

    給与前払いサービスのベースとなる、勤怠状況の情報提供も重要なポイントです。正確かつ詳細な勤怠データを提供するためには、勤怠管理システムの導入から検討が必要となる場合もあります。さすがに、手計算で勤怠データを集計するのは非現実的でしょう。参考)従業員10人まで永久無料の勤怠管理システム「フリーウェイタイムレコーダー」

給与前払いサービスを賢く活用しよう

給与前払いサービスは従業員から歓迎されるシステムですが、導入に際しては十分に検討する必要があります。いくら導入時の企業側の負担が少なくても、従業員への手数料負担が大きいサービスでは、従業員にとってマイナスになるかもしれません(調べたかぎりだと、システム提供型で手数料が安いのが「CRIA」です。その他「ペイミー」や「キュリカ」や「即給」といったサービスが人気のようです)。福利厚生の機能を十分に果たしながら運用コストの低いサービスを活用し、人材不足の解消や離職率の低下など、企業が抱える課題の解決策として利用を検討してみてください。

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