現物給与とは?所得税と社会保険との関係

現物給与

現物給与とは、金銭以外の物または権利、その他の経済的利益で支給される給与のことです。給与は基本的に金銭で支払われますが(金銭給与)、会社が食事や記念品などを従業員に現物支給した場合、これらは現物給与となります。品物だけでなく、自社製品を安く購入できる権利や社員食堂を利用することなども現物給与に含まれます。※2021年7月20日に更新

現物給与の3つのポイント

  • 現物給与とは、金銭以外の物または権利、その他の経済的利益で支給される給与のことである。
  • 現物給与の代表的な例としては、通勤手当、創業記念品、食事代の補助、家賃補助や社宅などが挙げられる。
  • 基本的に現物給与にも所得税が課税されるが、一部の現物給与は非課税とされている。

現物給与の代表例

現物給与の代表的な例としては、以下のようなものが挙げられます。いわゆる福利厚生費のようなものが多く見られます。

  • 通勤手当
  • 創業記念品
  • 永年勤続者への記念品
  • 食事代の補助
  • 社員食堂を利用できる権利
  • 社員旅行やレクリエーションの費用
  • 家賃補助や社宅
  • 職務に必要な技術習得のための費用
  • 自社製品を割引で購入
  • 利用できる権利(社割)
  • 転勤や出向にかかる旅費、転居費用
  • 冠婚葬祭の見舞金や香典、ご祝儀

現物給与には所得税が課税される?

本来は、金銭給与も現物給与も給与とみなされるため、所得税が課税されます。ただし、現物給与のなかでも一部のものは非課税とされています。非課税となる現物給与の条件は以下のとおりです。

  • 使用者側の業務遂行上の必要から支給されるもの
  • 換金性に欠けるもの
  • その評価が困難なもの
  • 受給者側に物品などの選択の余地がないもの

現物給与が非課税になる具体例

非課税になる現物給与の具体的な条件をいくつかご紹介します。

通勤手当

交通機関や有料道路を利用している場合の通勤手当が非課税になるのは、1ヶ月あたり15万円までです。

食事代

従業員が食事代の1/2以上を負担し、負担額が月額3,500円以下の場合は非課税となります。また、残業時や宿日直時に支給する食事は無料で支給した場合も非課税です。その他、深夜勤務者の夜食代補助は1食あたり300円までなら非課税となります。

社宅・社員寮

社宅・社員寮に従業員を入居させている場合、従業員が1ヶ月あたりの「賃貸料相当額」を支払っていれば非課税となります。無償で貸与している場合は、賃貸料相当額が給与として課税されます。

社員旅行の費用

社員旅行の期間が4泊5日以内であり、参加人数が全体の50%以上であれば課税対象となりません。また、研修旅行の場合は、会社の業務を行うために直接必要であれば全額が非課税となります。

現物給与は標準報酬月額に含まれる

現物給与は、標準報酬月額を計算する際に、その現物を通貨に換算して報酬に合算されます。また、現物が食事や住宅の場合については、現物を通貨に換算するときに、厚生労働省が定めたルールに従います。都道府県ごとに異なるため、日本年金機構のウェブサイトと資料を参照してください。

参考)全国現物給与価額一覧表(厚生労働大臣が定める現物給与の価額)|日本年金機構

参考)【令和3年4月~】全国現物給与価額一覧表(厚生労働大臣が定める現物給与の価額)

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