残業代の未払いは年6%の遅延損害金が必ず発生する?

残業代の未払い

近年、日本でも労働者の権利意識が向上しており、労使間トラブル・訴訟の件数が年々増えています。特に、未払い残業代・サービス残業代をめぐるトラブルは、ある意味、“ブーム”とも言える状況で、権利を主張する会社員が次々と現れています。今回の給与計算クイズは、「未払い残業代の請求」に関して。

未払い残業代の支払いを怠ると年6%の遅延損害金が発生する?

「残業代くらい大した金額にはならないだろう」と考えていても、支払いを怠って未払いの残業代、遅延損害金が膨らんでくると、決して馬鹿にならない金額になってきます。では、未払い残業代の請求に関する遅延損害金の利率は、商事法定利率である年6%が、必ず適用されるのでしょうか?

気になる答えは・・・

A.「No」です!

遅延損害金の利率の前に、遅延損害金について簡単にご説明しましょう。契約に基づく債務の履行を怠ると債務不履行(履行遅滞)になります。債務不履行になると、債務者は損害賠償(遅延損害金)を支払わなければなりません。残業代の支払いは雇用契約に基づいて会社が負担する債務ですから、支払期日(給料日)を過ぎても残業代の支払いがなされなければ、会社は履行遅滞に陥ります。つまり、未払いの残業代には遅延損害金が発生するということです。※2018年10月27日に更新

未払い残業代の遅延損害金の利率

未払い残業代の遅延損害金の利率は、従業員の退職前後で変わってきます。どんな場合でも年6%ではないので、今回のクイズの答えは「No」ということになります。

退職前

使用者が商人(会社・個人事業主)である場合、遅延損害金は未払い残業代に対して「年6%」(商事法定利率)の割合で発生します。従業員が在職中なら、年6%の割合による遅延損害金を支払わなければなりません。

退職後

未払い残業代の遅延損害金は、常に年6%の商事法定利率が適用されるわけではありません。従業員がすでに退職している場合は、未払い残業代に対して「年14.6%」の割合で遅延損害金が発生します(賃金の支払の確保等に関する法律)。

未払い残業代の2倍の支払になることも?

未払い残業代では、付加金に要注意です。付加金とは、未払い残業代などで裁判になったとき、裁判所の裁量で未払金と同額の金銭の支払いを命じられる制度です。たとえば、従業員が200万円の未払い残業代請求の訴えを起こしたとします。この訴えが裁判所に認められ、かつ裁判所から付加金の支払いを命じられると、請求額である200万円に加えて付加金200万円=合計400万円を支払うことになります。裁判で負けた場合、未払い残業代の2倍の金額を支払うことになりかねないということです。

未払い残業代と遅延損害金のまとめ

そもそも労働基準法は、労働者の保護を目的として制定された法律です。そのため、未払い残業代請求などの裁判は労働者有利になる傾向にあり、会社にとっては厳しいジャッジが下されることも少なくありません。複数の従業員に次々と未払い残業代を請求されたら・・・。裁判で負けて付加金の支払いを命じられたら・・・。会社は、たちまち存亡の危機を迎えてもおかしくはありません。労基署や弁護士に相談される前に、残業代に関する正しい知識を身に付け、適正なルールを整備してください。日頃から、従業員と信頼関係を築いておくことも、トラブルの回避策になるでしょう。

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