被扶養者は年収130万未満?

今回は、「社会保険の被扶養者と年収」について。新しく従業員を採用するときはもちろん、従業員に結婚・出産・退職などがあると、そのつど扶養についての正しい判断が求められます。

Q.過去1年の収入が130万未満なら社会保険の被扶養者になれる?

「年収130万円の壁」というフレーズを聞いたことがある方も、多いのではないでしょうか。そもそも、社会保険の被扶養者の年収は、130万円未満でなければなりません。この条件に該当してはじめて親や配偶者の扶養に入ることができ、自分で健康保険料・年金保険料を支払う必要がなくなるのです。では、「130万円未満」という金額は、過去1年の収入をもとに判断すべきなのでしょうか?

Answer 気になる答えは・・・

A.「No」です!

社会保険の被扶養者になるための条件の1つである「年収130万円未満」というのは、過去の年収とは無関係です。被扶養者になるには、被扶養者として認定される日以降、将来の給与、不動産収入や年金収入なども含めた、以下の条件を両方とも満たす必要があります。※2017年3月18日に更新

社会保険の被扶養者になる条件

  • 年間の収入の見込みが130万円未満(60歳以上の場合や障害厚生年金を受給できる程度の障害を有する場合は180万円未満)
  • 被保険者の収入の2分の1未満(※)

    ※同居の場合:被保険者(扶養者)の収入の半分未満

    ※別居の場合:被保険者(扶養者)からの仕送り額未満

健康保険の被扶養者となる条件

健康保険の被扶養者になるためには、以下の2つの条件を満たしている必要があります。

  • 直系尊属、配偶者、子、孫、兄弟姉妹と3親等内の親族

    配偶者は内縁でも、子どもは養子でもかまいません。ただし、直系尊属や配偶者、子、孫、弟妹以外の家族の場合は、従業員本人と同居している必要があります

  • 年間収入の見込みが130万円未満(60歳以上や障害者の場合は180万円未満)であり、被保険者の収入の2分の1未満であること

    金額の判断基準・計算方法は上述のとおり。被保険者となる従業員と同居していることが前提です。

社会保険と所得税で異なる「扶養の基準」

給与計算担当者が扶養で注意すべきなのは、社会保険と所得税とでは扶養家族の基準が異なるということ。所得税法上の扶養家族の条件は、以下のとおりです。

  • 納税者の6親等内の血族、もしくは3親等内の姻族
  • 納税者と同一生計
  • 合計所得金額が38万円以下

特に、「合計所得金額が38万円以下」の条件はしっかり覚えておきましょう。社会保険では将来の見込み収入額で「収入」を判断しますが、所得税法で言う「所得」は、1~12月の年単位の実績で計算します。年末に締めて38万円以下だったかかどうかで判断するのです。

所得と収入の違い

所得税は言うまでもなく所得に対して課せられる税金ですが、ここで言う「所得」とは「収入」のことではありません。

所得の計算式

所得 = 収入(1~12月の給与年収) - 必要経費(給与所得控除

なお、給与所得控除の金額は年収によって異なります。給与所得控除の金額が65万円を下回る場合は、一律で65万円が控除されます。詳しくは、国税庁のホームページを参考にしてください。もう一点、押さえておくべき数字が、所得税の非課税枠(基礎控除)である「38万円」。所得が38万円以下なら所得税はかからないという意味です。

まとめ

今回は、社会保険の扶養の「130万円の壁」について紹介しました。この130万円は、将来の見込み年収で判断されます。一方、所得税の扶養か否かは、1月から12月の所得(実績)で決まります。同じ扶養でも基準が異なりますので、正確に押さえておきましょう。

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