随時改定の対象になる従業員とは?~不要なケースもあるため要注意~

随時改定

随時改定とは、毎年7月の定時決定を待たずに「標準報酬月額」を改定する手続きのことです。「定時決定」で定められた保険料は、その年の9月から翌年8月までの1年間は基本的に変動しません。ただし、給与水準に大幅な増減があった場合は、給与の実情に合わせて保険料も変更する必要があります。そのために標準報酬月額を改定するのが随時改定です。※2021年1月6日に更新

随時改定の対象となる従業員

以下の条件のすべてを満たす場合は随時改定が必要です。

  • 昇給・降給などにより固定的賃金に変動があった
  • 変動月からの3ヶ月間に支給された報酬の平均月額に該当する標準報酬月額と、これまでの標準報酬月額との間に2等級以上の差が生じた
  • 3ヶ月とも「支払基礎日数」が17日以上である

なお、随時改定の対象になる報酬は固定的賃金のみのため、変動的賃金である残業手当が多額に発生したとしても随時改定の対象にはなりません。

随時改定の有効期間

随時改定が実施された時期によって、そのときに決まった標準報酬月額がいつまで採用されるのかが変わります。

  • 1月から6月の間に随時改定…改定された月からその年の8月まで採用
  • 7月から12月の間に随時改定…改定された月から翌年の8月まで採用

随時改定で提出する書類

定時決定では、「被保険者報酬月額算定基礎届(通称:算定基礎届)」という書類を提出します。一方の随時改定で提出する書類は、「被保険者報酬月額算定変更届(通称:月額変更届)」です。どちらも提出先は、日本年金機構の事務センターまたは管轄の年金事務所です。健康保険組合、企業年金基金、厚生年金基金に加入している場合には、そちらにも月額変更届を出します(例:関東ITソフトウェア健康保険組合)。

月額改定不該当通知書とは?

月額変更届を提出した後で、「月額改定不該当通知書」が届く場合があります。この書類の意味するところは、「月額変更届を出してもらったけど、標準報酬月額を変更しなくてよい」ということです。標準報酬月額には上限がありますが、健康保険と年金保険で上限額が異なります。そのため、健康保険料は上がるけれども年金保険料は変わらないこともあり、そういった時などに「月額改定不該当通知書」が送られてきます。

随時改定が必要ない場合も

社会保険の適用範囲が拡大され、2016年10月からは、従業員が500人を超える会社の場合、週の所定労働時間が20時間以上など所定の要件を満たすパートタイムやアルバイトも、必ず社会保険に加入しなくてはなりません。2022年10月からは従業員101人以上、2024年からは従業員51人以上と、今後さらにパートタイムやアルバイト、短時間労働者が社会保険に加入しなければならない会社が増えます。

社会保険に加入しているパートタイム、アルバイト、短時間労働者の固定的賃金が上がり、変動月からの3ヶ月間に支給された報酬の平均月額に該当する標準報酬月額と、これまでの標準報酬月額との間に2等級以上の差が生じたとします。この場合、仮に週の労働時間が同じであっても、随時改定に関しては、必要である人と必要でない人の違いが出ます。なぜなら、随時改定の要件は、変動月からの3ヶ月とも賃金の支払基礎日数が17日以上であること、だからです。

例えば、同じ週30時間労働であっても、週5日勤務の場合は必然的に月17日以上となり、必ず随時改定が必要になります。一方、週3~4日勤務の場合は支払基礎日数が月16日以下の日が1カ月でも含まれると、随時改定の要件に該当せず、手続きの必要はありません。間違って月額変更届を提出すると、月額改定不該当通知書が届きます。

関連記事

この記事は、株式会社フリーウェイジャパンが制作しています。当社は、従業員5人まで永久無料の給与計算ソフト「フリーウェイ給与計算」を提供しています。フリーウェイ給与計算はクラウド給与計算で、WindowsでもMacでも利用できます。ご興味があれば、ぜひ利用してみてください。詳しくは、こちら↓

給与計算ソフトが無料のフリーウェイ
このエントリーをはてなブックマークに追加
月の途中で退職した従業員の社会保険料の控除
社会保険料の算出方法と負担割合~会社の全額負担?従業員の全額負担?~
介護保険料の負担は「40歳の誕生日の前日の属する月」から
雇用保険料は労使折半ではない~労災は全額が会社負担~
退職後の給与(賞与)からも雇用保険料を控除する
定時決定が必要な理由とは?~対象になる従業員の条件~
随時改定の対象になる従業員とは?~不要なケースもあるため要注意~
算定基礎届とは~記載内容、対象になる従業員、提出先、提出方法について~
標準報酬月額とは~決定と改定について~
支払基礎日数とは~数え方、17日未満の月がある場合~
厚生年金保険とは?~4人以下の個人事業であれば強制加入ではない~
協会けんぽとは~被保険者と保険給付の種類~
先進医療も高額療養費制度の対象になる?
傷病手当金(しょうびょうてあてきん)とは?
基本手当とは何か~受給要件と受給額の計算方法~
出産育児一時金とは~転職や退職に注意~
求職者給付とは~一般、高年齢、短期雇用、日雇の違い~
雇用継続給付とは~高年齢雇用継続、育児休業、介護休業について~
教育訓練給付とは~一般教育訓練と専門実績教育訓練~
就業促進給付とは~再就職手当、就業促進定着手当、就業手当、常用就職支度手当~
労働保険とは?保険料の計算と納付、年度更新
雇用保険とは~加入手続き、保険料の計算と納付、失業等給付の種類~
労災保険とは~加入手続き、保険料の計算と納付、対象の災害~
被用者保険とは何か
任意継続とは~加入できる期間、保険料、メリットについて~
介護保険とは?被保険者の区分と保険料について
基礎年金番号とは?~その中身と確認方法~
確定拠出年金と確定給付年金の違い
厚生年金基金とは~厚生年金保険との違い、解散について~
年金払い退職給付とは?~官民格差と職域加算~
国民年金基金とは~加入条件、地域型、職能型について~
国民年金とは?~被保険者と基礎年金の種類~
日本の年金制度は3階建て?
65歳以上でも雇用保険料を徴収する
pagetop