賞与を年4回以上の支給にすると社会保険上の「報酬」になる

賞与

通常、賞与を支給した場合には、賞与支払届を賞与支給日から5日以内に年金事務所に提出します。ただし、年間4回以上、支給される賞与は社会保険上の「報酬」となるため、賞与支払届を提出しません。通常の給与である報酬月額に加算して標準報酬月額を決定します。加算の方法は、7月~翌年6月に支給された賞与の合計金額を12等分したものを報酬月額に加算をして、算定基礎届や月額変更届に記載します。※2022年1月18日日に更新

賞与の支給回数にカウントされないケース

ここでいう「賞与」とは「同じ性質のもの」である必要があります。3回までは通常の賞与で、今年業績が良かったので「たまたま」決算賞与を出したというような場合は、年4回以上だったとしても、「賞与支払届」を提出します(通常の賞与と同じ計算方法を取る)。この場合の「賞与」は以下のような条件を満たす必要があります。

  • 就業規則に「年4回(以上)賞与を支給する」と記載してある
  • 記載していないけど、会社としてルール化している(≒3年以上毎年、年4回以上の賞与を支給している)

年の途中で賞与の支給回数が変わったら?

どこかのタイミングで賞与の回数を変更した場合、例えば「2018年11月1日から年間4回賞与を支給することになった。具体的に支給する月は3月、6月、9月、12月。」という会社があったとします。2018年11月からの変更のため、2019年7月に提出する算定基礎届で、初めて加算をすることになります。それまで(2019年7月までに支払う賞与は今までと同じように社会保険料がかかります。)

実務的には、2018年12月、2019年3月、2019年6月に支払われる3回の賞与の合計額を支給回数(3回)で割ることで、1回あたりの平均額を算出します。ただし、規程では年4回支給する旨記載されているはずですので、先ほど算出した「1回あたりの平均額」に4を掛けて、年間で支払われるべきであった見込額を算出。その見込額を12等分し、算出された金額を報酬月額に加算をして算定基礎届を提出します。

また、算定基礎届の結果が反映されるのは翌年9月以降のため、2018年12月、2019年3月、2019年6月に支給された賞与は、従来通りそれぞれ賞与支払届を提出し、社会保険料を支払う必要があります。ただし、翌年9月以降は賞与支払届の提出は不要です。

賞与の支給回数が年4回以上の場合の「源泉所得税」「社会保険料」

最後に、賞与の支給回数が年4回以上の場合の、給与と賞与の「源泉所得税」「社会保険料」についてまとめます。

給与の源泉所得税は、社会保険料控除後の給与額に基づいて計算します(参考:【令和4年分】給与所得の源泉徴収税額表(月額表) )。注意が必要なのは社会保険料で、7月~翌年6月に支給された賞与の合計金額を12等分したものを報酬月額に加算をして、社会保険料額を決定します。

賞与の源泉所得税は、前月の社会保険料控除後の給与額に基づいて率を決めます(参考: 【令和4年分】賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表)。こちらも注意が必要なのは社会保険料で、徴収しません。いずれの税額表も、国税庁のホームページで公開されています。

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