配偶者特別控除とは?150万円の壁に対する誤解

配偶者特別控除

配偶者特別控除とは、配偶者の所得金額が38万円(給与所得だけの場合は年収103万円)を超えても、123万円(給与所得だけの場合は年収201万5,999円)以下の場合は、段階的に税負担が軽減される所得控除(人的控除)です。※2019年11月25日に更新

配偶者特別控除の対象になる配偶者

配偶者特別控除を受けるには、控除を受ける人(納税者)のその年における合計所得金額が1,000万円(給与所得だけの場合は、給与の年収が1,220万円)以下でなければなりません。さらに、配偶者が以下の5つの条件すべてを満たす必要があります。

  • 民法の規定による配偶者であること(内縁関係の人は該当しません)。
  • 控除を受ける人と生計を一にしていること。
  • その年に青色申告者の事業専従者としての給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと。
  • 他の人の扶養親族となっていないこと。
  • 年間の合計所得金額が38万円超123万円以下であること。

    ※配偶者の年間合計所得が38万円以下の場合には、「配偶者控除」を受けられます。

103万円の壁が150万円になったわけではない

納税者の合計所得金額が900万円以下(給与所得だけなら年収1,120万円以下)であれば、配偶者が所得85万円(年収150万円)まで働いても、配偶者控除と同じ38万円の控除を受けられます。一見すると、いわゆる「103万円の壁」が「150万円の壁」になったかのようですが、ここは要注意です。以下の点を踏まえて、収入をコントロールした方が無難かもしれません。

所得税が非課税なのは年収103万円まで

年収103万円以下であれば、所得税が課税されません。基礎控除(38万円)と給与所得控除(65万円)で、所得が0になるからです。配偶者が150万円まで働ければ、当然のことながら所得税が課されるようになります。

社会保険の扶養は130万円未満

社会保険と所得税では、扶養の条件が異なります。社会保険の場合、被扶養者になるのは年収130万円未満の場合です。配偶者の収入が150万円になれば社会保険の扶養から外れてしまい、健康保険料と国民年金保険料を負担することになります。参考)社会保険の扶養家族になるには年収130万未満が条件?

配偶者特別控除の控除額

配偶者特別控除の控除額は、控除を受ける納税者本人のその年における合計所得金額、および配偶者の合計所得金額に応じて変わります。

控除を受ける人の当年の合計所得金額が900万円(年収1,120万円)以下のケース

配偶者の所得金額 所得控除の金額
38万円超 85万円以下 38万円
85万円超 90万円以下 36万円
90万円超 95万円以下 31万円
95万円超 100万円以下 26万円
100万円超 105万円以下 21万円
105万円超 110万円以下 16万円
110万円超 115万円以下 11万円
115万円超 120万円以下 6万円
120万円超 123万円以下 3万円

控除を受ける人の当年の合計所得金額が900万円(年収1,120万円)超950万円(年収1,170万円)以下のケース

配偶者の所得金額 所得控除の金額
38万円超 85万円以下 26万円
85万円超 90万円以下 24万円
90万円超 95万円以下 21万円
95万円超 100万円以下 18万円
100万円超 105万円以下 14万円
105万円超 110万円以下 11万円
110万円超 115万円以下 8万円
115万円超 120万円以下 4万円
120万円超 123万円以下 2万円

控除を受ける人の当年の合計所得金額が950万円(年収1,170万円)超1,000万円(1,220万円)以下のケース

配偶者の所得金額 所得控除の金額
38万円超 85万円以下 13万円
85万円超 90万円以下 12万円
90万円超 95万円以下 11万円
95万円超 100万円以下 9万円
100万円超 105万円以下 7万円
105万円超 110万円以下 6万円
110万円超 115万円以下 4万円
115万円超 120万円以下 2万円
120万円超 123万円以下 1万円

※年収は、給与収入のみの場合の金額です。

※所得1,000万円(年収1,220万円)超の場合、控除はありません。

配偶者特別控除の適用を受けるには

配偶者控除申告書のイメージ

配偶者特別控除を受けるにあたり、年末調整する場合には「給与所得者の配偶者控除等申告書」という書類を給与の支払者(会社など)へ提出します。確定申告する場合は、確定申告書の配偶者(特別)控除の欄に記入して税務署へ提出します。参考まで、国税庁ホームページで公開されている「給与所得者の配偶者控除等申告書」の書式のリンクを記載しておきます。

※参考:給与所得者の配偶者控除等申告書の記載例|国税庁

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記事の監修者
牛崎 遼

株式会社フリーウェイジャパン
牛崎 遼

株式会社フリーウェイジャパン2007年入社。CSやバックオフィス業務の責任者を務めた後、2009年より給与計算ソフトなどの業務系システムのリリースに携わる。その過程で学んだ各種専門分野の知識を記事として書き、税理士や社労士などの専門家のファクトチェックを得ながら顧客向けのメディアとして運営を開始。メディア「給与計算ブログ」「給与計算クイズ」「会計ブログ」は月間60万PVほど。
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