年俸制とは~採用するメリットとデメリット、ボーナス、残業時間~

年俸制

年俸制とは、1年あたりで給与額を決定する制度です。成果主義を基礎として誕生した給与体系で、仕事の成果や個人の能力が評価され、給与額に大きく影響します。年俸制と聞くと、プロ野球などのプロスポーツ選手を思い浮かべるかもしれませんが、最近では年俸制の社員も珍しくありません。就活、転職活動している企業でも導入されているかもしれません。今回は、年俸制のメリットとデメリットを解説します。※2020年10月17日に更新

プロスポーツ選手と労働者の年俸制は別もの

日本では、プロ野球選手の年俸更改がスポーツニュースで取り上げられている影響もあってか、労働者の年俸制とプロスポーツ選手の年俸制を、同じものだと考えている方もいるようです。プロスポーツ選手とチームは「労働契約」を結んでいるわけではありませんので、会社と労働者の雇用関係とは異なります。まずは、プロ野球選のことを忘れて記事を読み進めてください。

年俸制を採用するメリット

  • 従業員の職能、職務、業績に応じて給与を決定できる。
  • 目標を個人別に設定しやすい。
  • 意欲が高く、力量のある人材を活性化できる。
  • 給与のコスト管理がしやすい。

年俸制では、働く前から個人の能力や過去の成果から活躍を期待して、1年あたりの給与額を決めます。そのため、個人別に目標設定がしやすく、能力を最大限に活かせることが大きなメリットだとされています。また、給与のコスト管理に手間がかからないのも年俸制のメリットです。月給制の場合、毎月の業績や成果によって昇給・減給がありますが、年俸制の場合は1年あたりの給与支給額が変動することはありません。

年俸制にもデメリットがある

  • 人事考課に対する納得感が低いと、全体に不公平感が生まれることがある。
  • 報酬のアップダウンが激しいため、それがプレッシャーやモチベーションダウンにつながることがある。
  • 目先の業績ばかりが追求され、本質的な課題が見逃されることがある。

年俸制での給与の減額

年俸制においても、欠勤日数や遅刻時間に応じて給与をカットできますが、あらかじめ就業規則労使協定において定めておく必要があります。

年俸制=年に1回の支払い?

年俸制では、会社は従業員の能力を査定して1年あたりで給与額を決定します。ただし、年俸額を1回で支給するのではなく、12回以上に分けて支給しなければなりません(労働基準法24条2項で定められた「賃金支払いの5原則」より)。

年俸制でもボーナスは支給される

結論から書いてしまうと、年俸制とボーナス支給の有無は、直接は関係ありません。会社のルール次第です。年俸の中に賞与を含んでいる会社もあれば、年俸とは別に業績連動でボーナスを出す会社もあります。前者の場合は、例えば年俸を20で割って毎月の給与として20分の1を支給し、残りの20分の8をボーナスとして支給する、という方法があります。

年俸制でも時間外労働の割増はある

年俸制なら残業時間の計算も不要で時間外手当も発生しない。というのは誤解です。法定労働時間を超えて働いた分には、時間外労働に対する割増賃金が発生します。ただし、管理監督者の場合には、時間外労働の割増賃金は不要で、深夜手当のみでも問題ありません。※「管理職」=「管理監督者」ではありませんので、ご注意ください。

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