管理職でも残業代は出る~管理監督者と名ばかり管理職~

キャリアウーマン

労働基準法41条に、「監督もしくは管理の地位にある者」には、たとえ残業をしたとしても時間外手当(残業代)を支払う必要はないと書かれています。この規定だけを見ると、管理職には残業代を支払う必要はなさそうですが、あくまでも「管理監督者」の話です。名ばかり管理職であれば残業代を払う必要があります。※2020年10月17日に更新

管理職と管理監督者は違う存在

部長・課長・店長・工場長などの肩書きを持つ人は、一般的には「管理職」と呼ばれますが、「管理監督者」であるとは判断されない可能性があります。まずは、管理監督者の要件を押さえましょう。

管理監督者か分かる3つのポイント

管理監督者か否かは、職務内容や権限、処遇などによって総合的に判断されます。以下に3つのポイントを紹介します。

業務内容に重大な責任・権限がある

経営に関わるポストに就いており、自分の業務や人事に関して幅広い裁量と権限をもっていること。従業員の採用や労働時間の変更などについて、上司や本部の指示に従っている人は、管理監督者とは言えない「名ばかり管理職」です。

地位にふさわしい待遇を受けている

業務に関する大きな裁量と権限を有していると同時に、大きな責任を負っている立場にあり、地位にふさわしい待遇を受けていること。一般社員と変わらない給料なのであれば、管理監督者には該当しません。

勤務態様に裁量がある

業務内容だけでなく、勤務態様にも裁量が与えられていること。自分の労働時間を自分で決定する権限を持っている必要があります。会社から日々の労働時間を指定されているのであれば、管理監督者とは言えません。

管理監督者でも深夜労働の割増は必要

管理監督者であれば、いわゆる残業代や休日手当は発生しません。ただし、22時から翌日5時までの深夜労働をした場合には、その分の割増手当(深夜手当)の支給は必須です。裁量のある地位や立場にある労働者であっても、深夜に労働する負担は、他の労働者と変わらないためです。深夜帯に労働させる必然性が、休日や時間外(深夜帯を除く)に労働させる必然性に比べて低いというのも、その理由とされています。管理監督者なら無制限に働かせても割増賃金を出さなくて良い、という認識は改めましょう。

名ばかり管理職には残業代を

上述の要件を満たさない従業員は、たとえ会社が役職を与えていても管理監督者とはならない「名ばかり管理職」、つまり実態として管理者ではありません。法定労働時間を超えた労働に対しては残業代が発生します。残業手当を支給していなければ未払い残業代となり、従業員が法律事務所の弁護士に相談して会社へ請求…といった問題が発生してしまうかもリスクがあります。賃金規程(給与規定)などで「管理職には残業代は支払わない」旨の取り決めをする方法だけでは解決しません。自社の管理職が、管理監督者に該当するのかを確認することが重要です。

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