社会保険労務士の仕事内容とは~試験に合格するための勉強方法も解説~

社会保険労務士の看板

「社会保険労務士」とは社会保険労務士法に基づく国家資格で、労働や社会保険に関する法律と人事・労務関連を扱う専門家です。民間の資格とは違って試験の難易度も高く、法律で定められている独占業務もあります。今回は、社会保険労務士のことを詳しく知りたい方に向けて、仕事内容や受験の情報について紹介します。※2021年5月11日に更新

社会保険労務士の仕事内容

社労士(社会保険労務士の略称)が提供するサービスは大きく3つに分かれます。

  • 労働社会保険諸法令に基づく申請書や届出書の作成・提出の代行。
  • 前述の諸法令に基づく就業規則や帳簿の作成。
  • 労務管理や社会保険、年金に関するコンサルティング業務。

社会保険労務士であって紛争解決手続代理業務試験に合格した特定社会保険労務士は、さらに紛争解決手続代理業務ができます。

社会保険労務士の受験資格

社会保険労務士は、大学、短期大学、専門職大学、専門職短期大学、5年制の高等専門学校を卒業した者または専門職大学の前期課程を修了した者のほか、大学の修得単位数を満たす者などにも受験資格があります。受験資格を証明する書類を提出する必要がありますので、受験を検討する場合には確認が必要です。

社会保険労務士の試験内容

試験内容は択一式70問(3時間30分)と選択式40問(1時間20分)にわかれ、いずれもマークシート方式による試験です。年に1回、8月下旬に全国の試験会場で開催されます。

社労士試験の勉強方法

試験がマークシート方式のみと聞くと、それほど難易度が高くないように感じるかもしれません。しかし試験範囲はとても広く、細かい法律の内容が問われますので、簡単に合格できる試験ではありません。論述問題はなく知識を問う問題なので独学もできますが、法律の細部を理解し、頻繁に起こる法改正にも対応しなければならないため、書店に並んでいる過去問やテキストだけで合格できるレベルまで仕上げるのは至難の業です。

1年間の勉強でも合格できる

初学者でも1年の勉強期間があれば、合格することは十分可能ですが、合格するためには、予備校や通信教育など、試験問題を分析・研究して効率良く教えている教育機関を利用するのが近道です。試験日が近づいてきたら受験勉強のためにまとまった時間を割く必要があるでしょう。

合格者の勉強期間は「2年」が多い

合格者の受験勉強期間は2年くらいが一番多いようですが、ゆっくり勉強しようと受験に長い時間をかけていると、毎年、法改正にあわせてテキストを更新する必要があり、予備校に通っていれば授業料もかなりの額になってしまいます。1~2年で集中して勉強することが合格のコツと言えるでしょう。

社会保険労務士になるには

実は、社会保険労務士試験に合格したらすぐに社会保険労務士になれるわけではありません。実務経験2年以上または厚生労働省が指定する労働社会保険諸法令関係事務指定講習の修了が必要です。実務経験が全くなくても、4カ月の通信指導と4日間の講義を修了すれば、社会保険労務士に登録ができます。試験に合格した後は登録の条件を満たせば、いつでも登録できますが、登録すると入会金と年会費が発生します。

就職先によって業務内容が異なる

社会保険労務士には独立開業して依頼を受ける開業社会保険労務士と、企業などに所属する勤務社会保険労務士の2種類があり、勤務社労士の仕事の範囲は社内の仕事に限られます。社内の業務だけであれば資格がなくても業務はできますが、会社や事務所によっては有資格者を昇進などで優遇したり、登録料などの補助を支給したりしているところもあるようです。

社会保険労務士試験の合格率

社会保険労務士試験の受験者数は2011年の53,000人から10年間で徐々に減少し、2017年からは約38,000人の横ばいで推移していました。合格率は大きな増減があった時期もありますが、2017~2020年の4年間は6.4~6.8%で安定しています。

試験センターが公表している過去10年の合格者は、年齢階層別割合を見ると30代と40代がそれぞれ約3割で最も多く、職業別割合では会社員や公務員、団体職員など有職者があわせて7~8割で、仕事と両立しながら試験に合格していると考えられます。

社会保険労務士のまとめ

近年は労働環境の変化や労働者の意識の高まりなどもあって、社会保険労務士への相談も増えているようです。先述した通り、社会保険労務士にしかできない独占業務もあるので、多くの場面でその力が必要になるでしょう。この機会に、社会保険労務士の仕事に少しでも興味が湧いたら、書店で試験の参考書などを見てもらうと良いかもしれません。

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