社会保険料は全従業員から控除する?

給与計算する上で大切なのは、法律で決められたルールに従って、確実に計算して支給することです。そのの中でも重要なルールの1つが「法定控除」。従業員に支給する給料から、社会保険料などを控除して支払うことが定められています。

健康保険や介護保険などの社会保険料は全社員の給与から控除する?

給料が労働の対価であるというのは、言うまでもないことです。労働基準法でも、給与を全額で支払うことを義務づけていますが、法令に別段の定めがある場合は、以下のように給与の一部を控除して支払うことになります。

総支給額 - 控除額 = 差引支給額、となるわけです。

では、法定控除の項目には様々なものがありますが、健康保険料や介護保険料などの社会保険料を、全社員の給与から控除するのでしょうか?

気になる答えは・・・

A.「No」です!

給与計算するにあたり、すべての社会保険料が全社員の給与から控除されるわけではありません。例えば、「健康保険料」は75歳以上の従業員の給与からは控除しませんし、「介護保険料」を控除するのは40歳以上65歳未満の従業員のみ。その他の保険料も、従業員の年齢によって控除の有無が変わってきます。今回は、狭義の社会保険について。※2018年4月17日に更新。

社会保険の定義

ちなみに、社会保険は、広義では「健康保険 」「厚生年金保険」「介護保険」「労働保険」を合わせたものを言いますが、狭義では「健康保険」「厚生年金保険」「介護保険」を意味します。労働保険料は、他と計算方法などが異なります。今回は、狭義の社会保険料の計算について紹介します。

社会保険料の算出方法

給与計算するにあたり、社会保険料は、従業員に支払う給与額によって決められる「標準報酬月額」をもとに算出されます。従業員の月額報酬を算出して「標準報酬月額保険料額表」に当てはめれば、保険料が求められます。

参考:「都道府県ごとの保険料額表

  • 介護保険料を納める従業員

    なお、介護保険料を納める義務がある従業員の場合は、保険料額表の「介護保険第2号被保険者に該当する場合」の列を参照します。この列の健康保険料は介護保険料が含まれた額になっています。

  • 全額と折半額

    保険料額表には「全額」「折半額」という表記があります。これは、狭義の社会保険料は会社と従業員が半分ずつ負担するからです。社会保険料の算出後、毎月従業員に支払う給与から前月分の社会保険料(折半額)を控除します。

  • 年金事務所へ納付

    その後、従業員から控除した社会保険料と会社負担分の社会保険料の合計額(全額)を年金事務所へ納付するという流れになります。

育児休暇中の社会保険料は?

育児・介護休業法では、満3歳未満の子を育てるための休業期間中の社会保険料は、会社負担分・従業員負担分がともに免除されると規定されています。

さらに、平成26年4月1日からは、産前産後休業期間中の社会保険料も免除されるようになっています(平成26年4月30日以降に産前産後休業が終了となる被保険者が対象)。

  • 育児休業等期間中の保険料免除

    満3歳未満の子を養育するための育児休業等期間につき、健康保険・厚生年金保険の保険料は、被保険者・事業主の両方の負担につき免除されます。

    免除の適用を受けるには、被保険者が育児休業の期間中に事業主が年金事務所に申し出る(育児休業等取得者申出書を提出する)必要があります。なお、この免除期間は、将来、被保険者の年金額を計算する際は保険料を納めた期間として扱われます。

  • 産前産後休業期間中の保険料免除

    産前産後休業期間(産前42日・産後56日のうち、妊娠または出産を理由として労務に従事しなかった期間)につき、健康保険・厚生年金保険の保険料は被保険者・事業主の両方の負担につき免除されます。

    免除の適用を受けるには、被保険者が産前産後休業期間中に事業主が年金事務所に申し出る(産前産後休業取得者申出書を提出する)必要があります。なお、この免除期間は、将来、被保険者の年金額を計算する際は保険料を納めた期間として扱われます。

まとめ

今回は、給与計算するときの社会保険料の控除について紹介しました。社会保険料を負担するかは、従業員の年齢によって変わります。給与計算するときは、社会保険の基礎知識があると安心です。関連記事も参考にしてみてください。

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