不動産の使用料等の支払調書とは~記載事項、提出期限、提出の省略について~

不動産の使用料等の支払調書

不動産の使用料等の支払調書は、会社がよく使用する法定調書の1つです。会社や不動産業者(個人事業主)は、その年に同一の方に支払った不動産の使用料等が15万円を超えるものについて、「不動産の使用料等の支払調書」を作成し税務署へ提出する義務があります。ただし、主として建物の賃貸借の代理・仲介を目的として不動産業を営んでいる個人の方は提出義務がありません。※2020年12月10日に更新

不動産の使用料等とは

不動産の使用料というと、事務所や社宅、駐車場などの賃借料がありますが、他にも以下のものが対象となります。

  • 貸主(個人)に支払う賃借料(地代、家賃など)
  • 貸主(法人)に支払う不動産の権利金、更新料、礼金 ※家賃や賃借料は含みません。
  • 地上権、地役権の設定や不動産の賃借に伴う権利金、礼金
  • 借地権や借家権を譲り受けた場合に地主や家主に支払う名義書換料
  • 契約満了や建物の増改築に伴う更新料、承諾料
  • 一時的な賃借料(催物の会場など)
  • 陳列ケースの賃借料
  • 広告等のための土地、建物の一部の賃借料

記載事項

「不動産の使用料等の支払調書」には、区分・物件の所在地・細目・計算の基礎・支払金額、支払者および支払いを受ける者の住所・氏名などを記載します。

その他、不動産に関する支払調書

不動産の使用料のほか、不動産等の取引に関する支払調書には以下の2つがあります。

不動産等の譲受けの対価の支払調書

不動産の売買・交換・競売等の取引において、その年中に同一の方に支払った金額が100万円を超えるものについて、作成し税務署へ提出します。※参考:「不動産等の譲受けの対価の支払調書

不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書

不動産等の売買代金やあっせん手数料として、その年中に同一の方に支払った金額が15万円を超えるものについて、作成し税務署へ提出します。※参考:「不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書

提出期限

支払調書の提出期限は、原則、金銭等支払いのあった年の翌年1月31日です。支払事務を取り扱う事業所等の所在地を管轄する税務署へ提出します。

提出を省略できる場合

「不動産の使用料等の支払調書」または「不動産の譲受けの対価の支払調書」にあっせん手数料についての情報(支払確定年月日、あっせん手数料など)を記載する場合は、提出を省略できます。

まとめ

今回は、「不動産の使用料等の支払調書」を紹介しました。不動産関連の支払調書は、「不動産の譲受けの対価の支払調書」と「不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書」もあります。何より押さえておきたいのは、「不動産の使用料等」に、法人に支払った家賃や賃借料が含まれない点です。支払先が個人の場合は「不動産の使用料等の支払調書」が必要ですので、よく確認するようにしましょう。

この記事は、株式会社フリーウェイジャパンが制作しています。当社は、従業員5人まで永久無料の給与計算ソフト「フリーウェイ給与計算」を提供しています。フリーウェイ給与計算はクラウド給与計算で、WindowsでもMacでも利用できます。ご興味があれば、ぜひ利用してみてください。詳しくは、こちら↓

給与計算ソフトが永久無料のフリーウェイ
このエントリーをはてなブックマークに追加
pagetop