更新日:2026年02月20日
不動産等の譲受けの対価の支払調書とは、不動産・船舶・航空機の対価を支払った場合に税務署に提出する法定調書です。同じ相手に対するその年中の支払合計が100万円超のケースで、提出の義務が生じる可能性があります。本記事で、不動産等の譲受けの対価の支払調書の記載事項やポイントを押さえておきましょう。
目次
不動産等の譲受けの対価の支払調書とは、不動産を購入した際などに税務署に提出する書類のことです。支払調書は、どのような内容で、誰に対して年間でいくら支払ったのかを報告するための文書を指します。
不動産を購入したからといって、必ず不動産等の譲受けの対価の支払調書を提出するわけではありません。ここから、対象となる支払いや提出義務者、提出範囲などについて解説します。
不動産等の使用料等の支払調書を提出する義務があるのは、上記の対価を支払ったすべての法人と不動産業者である個人です。ただし、不動産業者である個人であっても、主として建物の賃貸借の代理や仲介を目的とする事業を営んでいる者には、提出義務がありません。
不動産等の譲受けの対価の支払調書の提出範囲は、同一人に対するその年中の支払合計が100万円を超えるものです。なお、ここで言うところの「譲受け」には、売買や交換のほか、競売、公売、収用、現物出資などの取引による取得も含まれます。
参考)国税庁 No.7442 「不動産等の譲受けの対価の支払調書」の提出範囲等
原則として、支払の確定した日の属する年の翌年1月31日までに、不動産等の使用料等の支払調書を税務署に提出する必要があります。
不動産等の譲受けの対価の支払調書に記載する項目は、主に以下のとおりです。
ここから、各項目に記載する内容について解説します。
不動産等の譲受けの対価の支払調書の上部にある「支払を受けるもの」の欄に、代金を支払った相手の情報を記載しましょう。
個人相手の場合は住所と氏名、法人相手の場合は所在地と名称を記載します。また、2016年以降は個人番号(個人相手)もしくは法人番号(法人相手)の記載も必要です。
相手の法人番号がわからない場合は、国税庁の「法人番号公表サイト」に名称を入れれば確認できます。
参考)国税庁「法人番号公表サイト」
「支払を受けるもの」欄の下に、物件に関する情報を記載します。
物件の種類には、「土地」「建物」「船舶」「航空機」など、購入した資産の種類を記載します。また、「物件の所在地」に対象資産の所在地を記載しましょう。
「細目」は、地目・構造・用途などを記載する欄です。土地を購入した場合は、「宅地」「山林」「雑種地」などを記載しましょう。
続いて、「数量」には土地の面積や建物の戸数・延べ面積などを記載します。「取得年月日」は、所有権や財産権が実際に移転した日の記載が必要です。
「支払金額」には、購入した資産の対価として支払う金額を記載します。
「摘要」は、譲受けた際の態様を記載する欄です。売買・競売・公売・交換などを記載しましょう。
態様によって、記載方法が異なります。たとえば、売買で譲受けた場合は、支払年月日や支払方法の記載が必要です。
また、あっせんをした者がいる場合や、補償金が支払われる場合も「摘要」欄の場所に記載します。あっせんをした者がいる場合は、「摘要」欄にある「あっせんした者」に記載しましょう。
「支払者」欄には、資産を譲り受けた人(会社)の情報を記載します。
自分の住所・所在地や、氏名・名称を記載しましょう。また、「支払を受けるもの」欄と同様に、個人番号もしくは法人番号の記載も必要です。
なお、不動産等の譲受けの対価の支払調書の書式は国税庁のサイトから取得できます。年度によって書式が異なる場合があるため、最新のものを使いましょう。「入力用」の書式を使えば、パソコンから手軽に作成できます。
参考)国税庁「F1-5 不動産等の譲受けの対価の支払調書(同合計表)」
不動産等の譲受けの対価の支払調書に関する書き方のポイントは、主に以下のとおりです。
それぞれ解説します。
不動産等の譲受けのあっせんをした者がいる場合は、支払調書の「あっせんをした者」の欄に、不動産の譲受けにかかるあっせん手数料などを記載します。この場合、そのあっせん手数料については「不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書」の提出を省略できます。
不動産等の譲受けの対価のほかに補償金が支払われる場合は、摘要欄に補償金の種類と金額を記載します。
譲受けた資産を「共有」している場合は、共有者ごとにそれぞれ不動産等の譲受けの対価の支払調書を作成しなければなりません。誰かがまとめて1通作成することのないよう、注意しましょう。
また、「共有」の場合はそれぞれの持分に応じて支払金額を記載することが大切です。たとえば、1,500万円の不動産に対して自身の共有持分が1/2の場合は、「支払金額」に「7500000」と記載します(1,500万円 × 1/2 = 750万円)。
不動産等の譲受けの対価の支払調書などの法定調書を提出する際に、書面での対応ができないケースがある点に注意が必要です。
法定調書の種類ごとに前々年に提出すべき法定調書の枚数が100枚以上の場合、e-Tax・光ディスクやクラウドサービスなどを利用して対応しなければなりません。たとえば、2024年1月に100枚以上提出しなければならないケースでは、2026年1月のときにe-Taxなどで法定調書の提出が必要です。
さらに、2027年1月1日以降は、30枚以上のケースで対応が必要な点にも注意しましょう。
参考)国税庁「No.7455 法定調書の提出枚数が100枚以上の場合のe-Tax、光ディスク等又はクラウド等による提出義務」
不動産等の譲受けの対価の支払調書は、書面で税務署に提出する以外に以下の方法で提出できます。
それぞれの概要について、簡単に解説します。
e-Taxとは、インターネットなどで国税に関する手続きを電子的に対応できるシステムのことです。不動産等の譲受けの対価の支払調書の場合は、e-Taxソフトをダウンロード・インストールして手続きする方法、Webブラウザ上でe-Taxソフト(WEB版)を利用して手続きする方法のどちらでもできます。
いずれの方法も、初めて利用する場合は事前準備が必要です。国税庁サイトの、「e-Taxソフトのダウンロードコーナー」や、「e-Taxソフト(WEB版)のご利用に当たって【パソコン】」を参考にしてください。
参考)国税庁「法定調書(源泉徴収票、支払調書)の作成と提出」
2022年1月より、クラウドサービスを利用した法定調書の提出も認められています。クラウドサービスを活用することで、入力ミス・修正の手間や作業時間の軽減を図れる点がメリットです。
ただし、クラウドサービスで提出するには、以下の手続きを踏まなければなりません。
なお、「電子計算機の認定申請書 兼 申請事項変更届出書」は国税庁のサイトから取得できます。
参考)国税庁「クラウドサービス等を利用した法定調書の提出について」
「光ディスク等」も、不動産等の譲受けの対価の支払調書を提出に使える手段です。大量の書類を1枚の光ディスクで対応できる点が、主なメリットとして挙げられます。
「光ディスク等」の具体例は、以下のとおりです。
従来、光ディスクによる提出にあたって申請書の提出が必要でした。しかし、2023年4月以降は提出が不要とされています。
参考)国税庁「法定調書の光ディスク等による提出のご案内」
「不動産等の譲受けの対価の支払調書」以外にも、不動産に関係する取引で支払調書を作成・提出するケースがあります。代表的なものは、以下の2種類です。
不動産の使用料等の支払調書は、土地や建物の利用に伴って金銭の支払いが発生した場合に作成することがあります。具体例は、家賃のほか、敷金や礼金などです。
一方、不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書は、不動産売買や賃貸借について仲介した相手に対し、報酬として手数料を支払った場合に提出することがあります。
なお、どちらの支払調書も、書面に加えてe-Taxソフト・クラウドサービス・光ディスクでも提出可能です。
不動産等の譲受けの対価の支払調書とは、不動産を購入した際などに税務署に提出する書類のことです。書類には、「支払を受けるもの」「物件に関する情報」「摘要」「支払者」などを記載します。
提出範囲は、同一人に対するその年中の支払合計が100万円を超えるものです。資産を譲受けることがあったら、提出しなければならないか必ずチェックしましょう。
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不動産等の譲受けの対価の支払調書とは、不動産・船舶・航空機の対価を支払った場合に税務署に提出する法定調書です。同じ相手に対するその年中の支払合計が100万円超のケースで、提出の義務が生じる可能性があります。本記事で、不動産等の譲受けの対価の支払調書の記載事項やポイントを押さえておきましょう。
目次
不動産等の譲受けの対価の支払調書とは
不動産等の譲受けの対価の支払調書とは、不動産を購入した際などに税務署に提出する書類のことです。支払調書は、どのような内容で、誰に対して年間でいくら支払ったのかを報告するための文書を指します。
不動産を購入したからといって、必ず不動産等の譲受けの対価の支払調書を提出するわけではありません。ここから、対象となる支払いや提出義務者、提出範囲などについて解説します。
対象となる支払い
提出義務者
不動産等の使用料等の支払調書を提出する義務があるのは、上記の対価を支払ったすべての法人と不動産業者である個人です。ただし、不動産業者である個人であっても、主として建物の賃貸借の代理や仲介を目的とする事業を営んでいる者には、提出義務がありません。
提出範囲
不動産等の譲受けの対価の支払調書の提出範囲は、同一人に対するその年中の支払合計が100万円を超えるものです。なお、ここで言うところの「譲受け」には、売買や交換のほか、競売、公売、収用、現物出資などの取引による取得も含まれます。
参考)国税庁 No.7442 「不動産等の譲受けの対価の支払調書」の提出範囲等
提出期限
原則として、支払の確定した日の属する年の翌年1月31日までに、不動産等の使用料等の支払調書を税務署に提出する必要があります。
不動産等の譲受けの対価の支払調書の記載事項
不動産等の譲受けの対価の支払調書に記載する項目は、主に以下のとおりです。
ここから、各項目に記載する内容について解説します。
支払を受けるもの
不動産等の譲受けの対価の支払調書の上部にある「支払を受けるもの」の欄に、代金を支払った相手の情報を記載しましょう。
個人相手の場合は住所と氏名、法人相手の場合は所在地と名称を記載します。また、2016年以降は個人番号(個人相手)もしくは法人番号(法人相手)の記載も必要です。
相手の法人番号がわからない場合は、国税庁の「法人番号公表サイト」に名称を入れれば確認できます。
参考)国税庁「法人番号公表サイト」
物件に関する情報
「支払を受けるもの」欄の下に、物件に関する情報を記載します。
物件の種類には、「土地」「建物」「船舶」「航空機」など、購入した資産の種類を記載します。また、「物件の所在地」に対象資産の所在地を記載しましょう。
「細目」は、地目・構造・用途などを記載する欄です。土地を購入した場合は、「宅地」「山林」「雑種地」などを記載しましょう。
続いて、「数量」には土地の面積や建物の戸数・延べ面積などを記載します。「取得年月日」は、所有権や財産権が実際に移転した日の記載が必要です。
「支払金額」には、購入した資産の対価として支払う金額を記載します。
摘要
「摘要」は、譲受けた際の態様を記載する欄です。売買・競売・公売・交換などを記載しましょう。
態様によって、記載方法が異なります。たとえば、売買で譲受けた場合は、支払年月日や支払方法の記載が必要です。
また、あっせんをした者がいる場合や、補償金が支払われる場合も「摘要」欄の場所に記載します。あっせんをした者がいる場合は、「摘要」欄にある「あっせんした者」に記載しましょう。
支払者
「支払者」欄には、資産を譲り受けた人(会社)の情報を記載します。
自分の住所・所在地や、氏名・名称を記載しましょう。また、「支払を受けるもの」欄と同様に、個人番号もしくは法人番号の記載も必要です。
なお、不動産等の譲受けの対価の支払調書の書式は国税庁のサイトから取得できます。年度によって書式が異なる場合があるため、最新のものを使いましょう。「入力用」の書式を使えば、パソコンから手軽に作成できます。
参考)国税庁「F1-5 不動産等の譲受けの対価の支払調書(同合計表)」
不動産等の譲受けの対価の支払調書の書き方のポイント
不動産等の譲受けの対価の支払調書に関する書き方のポイントは、主に以下のとおりです。
それぞれ解説します。
あっせんをした者がいる場合は手数料などを記載する
不動産等の譲受けのあっせんをした者がいる場合は、支払調書の「あっせんをした者」の欄に、不動産の譲受けにかかるあっせん手数料などを記載します。この場合、そのあっせん手数料については「不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書」の提出を省略できます。
補償金が支払われる場合は種類や金額を記載する
不動産等の譲受けの対価のほかに補償金が支払われる場合は、摘要欄に補償金の種類と金額を記載します。
共有の場合はそれぞれ作成する
譲受けた資産を「共有」している場合は、共有者ごとにそれぞれ不動産等の譲受けの対価の支払調書を作成しなければなりません。誰かがまとめて1通作成することのないよう、注意しましょう。
また、「共有」の場合はそれぞれの持分に応じて支払金額を記載することが大切です。たとえば、1,500万円の不動産に対して自身の共有持分が1/2の場合は、「支払金額」に「7500000」と記載します(1,500万円 × 1/2 = 750万円)。
法定調書の支払枚数に関する注意点
不動産等の譲受けの対価の支払調書などの法定調書を提出する際に、書面での対応ができないケースがある点に注意が必要です。
法定調書の種類ごとに前々年に提出すべき法定調書の枚数が100枚以上の場合、e-Tax・光ディスクやクラウドサービスなどを利用して対応しなければなりません。たとえば、2024年1月に100枚以上提出しなければならないケースでは、2026年1月のときにe-Taxなどで法定調書の提出が必要です。
さらに、2027年1月1日以降は、30枚以上のケースで対応が必要な点にも注意しましょう。
参考)国税庁「No.7455 法定調書の提出枚数が100枚以上の場合のe-Tax、光ディスク等又はクラウド等による提出義務」
不動産等の譲受けの対価の支払調書を書面以外で提出する方法
不動産等の譲受けの対価の支払調書は、書面で税務署に提出する以外に以下の方法で提出できます。
それぞれの概要について、簡単に解説します。
e-Taxソフト
e-Taxとは、インターネットなどで国税に関する手続きを電子的に対応できるシステムのことです。不動産等の譲受けの対価の支払調書の場合は、e-Taxソフトをダウンロード・インストールして手続きする方法、Webブラウザ上でe-Taxソフト(WEB版)を利用して手続きする方法のどちらでもできます。
いずれの方法も、初めて利用する場合は事前準備が必要です。国税庁サイトの、「e-Taxソフトのダウンロードコーナー」や、「e-Taxソフト(WEB版)のご利用に当たって【パソコン】」を参考にしてください。
参考)国税庁「法定調書(源泉徴収票、支払調書)の作成と提出」
クラウドサービス
2022年1月より、クラウドサービスを利用した法定調書の提出も認められています。クラウドサービスを活用することで、入力ミス・修正の手間や作業時間の軽減を図れる点がメリットです。
ただし、クラウドサービスで提出するには、以下の手続きを踏まなければなりません。
なお、「電子計算機の認定申請書 兼 申請事項変更届出書」は国税庁のサイトから取得できます。
参考)国税庁「クラウドサービス等を利用した法定調書の提出について」
光ディスク
「光ディスク等」も、不動産等の譲受けの対価の支払調書を提出に使える手段です。大量の書類を1枚の光ディスクで対応できる点が、主なメリットとして挙げられます。
「光ディスク等」の具体例は、以下のとおりです。
従来、光ディスクによる提出にあたって申請書の提出が必要でした。しかし、2023年4月以降は提出が不要とされています。
参考)国税庁「法定調書の光ディスク等による提出のご案内」
不動産等の譲受けの対価の支払調書以外の主な支払調書
「不動産等の譲受けの対価の支払調書」以外にも、不動産に関係する取引で支払調書を作成・提出するケースがあります。代表的なものは、以下の2種類です。
不動産の使用料等の支払調書は、土地や建物の利用に伴って金銭の支払いが発生した場合に作成することがあります。具体例は、家賃のほか、敷金や礼金などです。
一方、不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書は、不動産売買や賃貸借について仲介した相手に対し、報酬として手数料を支払った場合に提出することがあります。
なお、どちらの支払調書も、書面に加えてe-Taxソフト・クラウドサービス・光ディスクでも提出可能です。
不動産等の譲受けの対価の支払調書まとめ
不動産等の譲受けの対価の支払調書とは、不動産を購入した際などに税務署に提出する書類のことです。書類には、「支払を受けるもの」「物件に関する情報」「摘要」「支払者」などを記載します。
提出範囲は、同一人に対するその年中の支払合計が100万円を超えるものです。資産を譲受けることがあったら、提出しなければならないか必ずチェックしましょう。