扶養控除とは?~扶養親族なら誰でも控除されるわけではない~

扶養控除

扶養控除とは、納税者本人に扶養親族がいる場合に受けられる所得控除(人的控除)のことです。親族を養っている納税者の経済的負担を軽減するために設けられた制度で、対象の扶養親族一人につき、所定の扶養控除が受けられます。なお、配偶者の場合には配偶者控除の対象になるため、扶養控除は受けられません。※2018年11月6日に更新

扶養控除の3つのポイント

  • 扶養控除とは、納税者本人に扶養親族がいる場合に受けられる所得控除のことである。
  • 扶養控除は、対象の扶養親族一人につき、所定の扶養控除が受けられる。
  • 扶養控除の「扶養親族」に該当するのは、16歳以上の扶養親族のみ。

扶養親族とは誰のことか?

扶養親族となるには、以下の要件すべてに該当する必要あります。

  • 6親等内の血族もしくは3親等内の姻族(配偶者を除く)

    血族とは納税者本人の親族のことで、姻族とは納税者の配偶者の親族のことです。扶養親族には、納税者本人の子どもだけでなく、親や祖父母など、上の世代も対象になります。

  • 納税者と生計を一にしている

    扶養親族になるには、納税者と親族が同一生計である必要があります。納税者の収入で生活している親族であれば、同居していなくとも構いません。納税者が単身赴任などで別居している場合に納税者の仕送りで生活する親族や、納税者が療養費を支払っている入院中の親族なども同一生計として扶養親族になります。

  • 年間の所得が38万円以下である

    親族に所得がある場合、所得の金額によって扶養親族の対象になるかどうかが変わってきます。たとえば、子供がパートで給料を受け取っている場合、年間の所得(収入-給与所得控除)が38万円(年収なら103万円)を超える場合は納税者の扶養から外れるため、扶養親族になれません。

    また、親族が年金受給者の場合、年金額が158万円以下の65歳以上の親族、または年金額が108万以上の65歳未満の親族を扶養する場合は扶養親族となります。

  • 青色申告者の事業専従者ではない

    扶養親族となるには、親族が青色申告の事業専従者として、その年を通じて一度も給与の支払を受けていない(または、白色申告者の事業専従者でない)ことが必要です。

扶養控除の対象は16歳以上だけ

扶養控除申告書のイメージ

誤解されやすい点ですが、扶養親族であれば扶養控除の対象になる、というわけではありません。控除対象扶養親族に該当するのは、その年の12月31日時点で16歳以上の扶養親族のみです。16歳未満の扶養親族(年少扶養親族)は、平成23年の法改正で子ども手当(現:児童手当)の対象になったことに伴い、扶養控除からは除外されました。16歳未満の扶養親族については、扶養控除申告書の下部にある「住民税に関する事項」に記載します。これにより、住民税の非課税基準額が算定されます。

なお、対象となる親族が年度の途中で死亡した場合は、死亡した時点で前述の要件を満たしていれば扶養親族に該当し、扶養控除を受けられます。

扶養控除の控除額

  • 一般の扶養親族(16歳以上19歳未満、23歳以上70歳未満):所得税で38万円、住民税で33万円
  • 特定扶養親族(19歳以上23歳未満):所得税で63万円、住民税で45万円
  • 老人扶養親族(70歳以上、同居):所得税で58万円、住民税で45万円
  • 老人扶養親族(70歳以上、別居):所得税で48万円、住民税で38万円

※参照:No.1180 扶養控除|所得税|国税庁

非居住者である親族

平成27年度の税制改正をうけ、平成28年度分の扶養控除等(異動)申告書から「非居住者である親族」の項目が追加されました。扶養親族のうち国外に居住している人がいる場合には、この項目に○をつけ、親族関係書類(戸籍の写しなど)と、送金関係書類(金融機関発行の支払いを証明する書類など)を添付または提示する必要があります。

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