更新日:2026年02月10日
保険料控除申告書は、年末調整の際に保険料控除を受けるために必要な書類です。正確に記入することで、生命保険や地震保険、社会保険などの支払いに対して税金の負担を軽減できます。しかし、申告書の書き方や控除額の計算に不安を感じる方も多いのではないでしょうか。本記事では、保険料控除申告書の書き方や年末調整時の注意点についてわかりやすく解説します。
目次
※国税庁|令和7年分給与所得者の保険料控除申告書を引用して加工
給与所得者の保険料控除申告書は、従業員が年末調整で所得控除を受けるために必要な書類です。
この書類には、「生命保険料控除」「地震保険料控除」「社会保険料控除」「小規模企業共済等掛金控除」の4つの控除対象となる保険料について、支払った金額を記載します。
給与を支払う側は、扶養控除や基礎控除、配偶者控除などの書類と一緒に年末調整し、従業員ごとの所得税を確定させる流れです。
生命保険や地震保険、iDeCoに加入し掛金を支払っている場合、この申告書を提出することで、一定額を所得から控除できます。
生命保険料控除は、支払った生命保険料に応じて一定額が所得から差し引かれます。適切な手続きにより、所得税や住民税の負担軽減が可能です。ここでは、対象となる保険の種類や要件、申告の手順について詳しく解説します。
生命保険、介護医療保険については、保険金受取人が契約者か配偶者、その他の親族である保険が生命保険料控除の対象になります。財形保険や団体信用生命保険などは、生命保険料控除の対象になりません。個人年金保険についても、年金受取人が契約者またはその配偶者であり、保険料払込期間が10年以上であることなど、生命保険料控除の対象となる条件があります。
生命保険料控除は、新制度と旧制度の両方で運用されています(平成22年度の税制改正により)。平成23年12月31日までに契約した場合(旧制度)と、平成24年1月1日以降に契約した場合(新制度)とで、生命保険料控除の控除額の計算方法が異なります。
生命保険料控除欄の記入は、保険会社から送付される「生命保険料控除証明書」を参照しながら記入していきましょう。
この欄は「一般の生命保険料」「介護医療保険料」「個人年金保険料」の3種類に分かれており、さらに加入時期によって旧制度と新制度に区分されます。ただし、介護医療保険料は新制度のみが対象です。
控除証明書には、1月1日から12月31日までの1年間に支払った保険料が記載されています。これらの情報をもとに、以下の手順で申告書に記入していきましょう。
【記入方法】
① 控除証明書を確認して保険会社名を記入しましょう。 ② 控除証明書から保険の種類(終身保険や定期保険など)を確認し、記入します。 ③ 保険期間や年金支払期間も、控除証明書で確認して記入します。 ④ 契約者名を控除証明書から確認します。契約者が家族の場合でも、自分が保険料を支払っていれば記載できます。その際は、契約者の名前を記入します。 ⑤ 受取人名は保険証券などで確認し、記入しましょう。 ⑥ 受取人との続柄を記載します。 ⑦ 控除証明書で確認し、「新制度」か「旧制度」に〇をつけます。 ⑧ その年の1月1日から12月31日までに支払った保険料の合計額を記入します。 ⑨ 新制度の保険料の合計額を記入します。 ⑩ 旧制度の保険料の合計額も記入します。 ⑪ ⑨の新制度の金額を計算式Iに当てはめ、計算して1円未満の端数を切り上げます。 ⑫ ⑩の旧制度の金額も計算式Iに当てはめて1円未満の端数を切り上げます。 ⑬ ⑪と⑫で算出した金額を合計し、40,000円を超える場合は40,000円と記入します。 ⑭ ⑫と⑬のうち、大きいほうの金額を記入します。 ⑮⑯「一般の生命保険料控除」も(①~⑭)と同様に記入します。 ⑰ ⑭⑮⑯の合計額を記入し、120,000円を超える場合は120,000円と記入します。
生命保険料控除は、2010年の税制改正により変更され、2012年から新たな制度が導入されました。この変更に伴い、2011年12月31日以前に契約された保険には旧制度が、2012年1月1日以降の契約には新制度が適用されることになっています。
新制度では、「介護医療保険料控除」が新たに加わった点が旧制度との大きな違いです。
また、新制度の導入により控除額の上限も増加しましたが、旧制度に基づく契約が続いている場合、そのまま旧制度が適用されます。そのため、契約の時期によっては新旧両方の制度を併用して控除を受けるケースもあります。
ただし、2012年1月1日以降に契約の更新や転換、特約の追加をした場合、その契約全体が新制度の対象となるため注意が必要です。
生命保険料控除は、年間の保険料総額によって所得控除額が変わります。以下の表は、新制度(平成24年1月1日以降に契約した保険)における保険料総額と控除額を対比した表です。
勤務先で年末調整する場合は、保険料控除申告書に記入して勤務先に提出します。確定申告するのであれば、確定申告書の生命保険料控除に記入して生命保険料控除証明書を添付します。あるいは、確定申告書の提出時に生命保険料控除証明書を提示します。
保険会社から発行される書類です。生命保険料の支払金額や、生命保険料控除を受けられることを証明できます。10月頃に保険会社から送られてくるため、大切に保管しておきましょう。紛失時には再発行してもらえますが、年末調整や確定申告の期限ぎりぎりになっての再発行となると、間に合わないかもしれませんので要注意です。
参考)生命保険料控除|所得税|国税庁
地震保険料控除の対象と申告欄の書き方について、まず控除の対象となる保険料について確認する必要があります。
地震保険料控除は、その年に支払った地震保険料の一部を所得から差し引ける制度です。対象となるのは、火災保険に付随している地震保険の保険料や掛金であり、火災保険そのものの保険料は含まれないため注意しましょう。
控除対象となる保険契約は、契約者本人や生計をともにしている配偶者や親族が所有し、日常的に住居として使用している建物や家財が対象です。収益を得ることを目的とした賃貸物件や別荘などの地震保険料は、控除の対象外となります。
所得税で年間払込保険料の全額(最高5万円)、住民税で年間払込保険料の2分の1(最高2万5000円)です。
地震保険料控除については、保険料控除申告書の右上に記入欄があります。生命保険料控除と同様に、保険会社から送られてくる地震保険料控除証明書の内容を、以下の表の番号の順に記入をしていきましょう。
① 保険会社名を控除証明書で確認して記入します。 ② 地震保険や積立傷害保険など、保険の種類を控除証明書で確認して記入します。 ③ 保険期間を控除証明書で確認して記入します。 ④ 契約者名を控除証明書で確認して記入します。家族が契約者の場合でも、保険料を支払っていれば契約者の名前で記入可能です。 ⑤ 保険対象の家屋や家財を利用している居住者の名前を記入します。 ⑥ ⑤の人物との続柄を記入します。 ⑦ 地震保険料または旧長期損害保険料の該当項目に〇をつけます。 ⑧ 年末までに支払う予定の保険料額(申告額)を記入します。 ⑨ ⑧のうち地震保険料の合計額を記入します。 ⑩ ⑧のうち旧長期損害保険料の合計額を記入します。 ⑪ ⑨の金額を記入します(50,000円を超える場合は50,000円)。 ⑫ ⑩を記入します(10,000円を超える場合は、⑩×1/2+5,000円の金額)(15,000円を超える場合は、15,000円)。 ⑬ ⑪と⑫の合計を記入します(両者の合計の限度額は50,000円)。
年末調整する場合は、保険料控除申告書を勤務先に提出します。確定申告する場合は、確定申告書に地震保険料控除について記入します。そして、地震保険料の支払金額や地震保険料控除を受けられることを証明する書類を確定申告書に添付するか、確定申告の際に提示します。
参考)地震保険料控除|所得税|国税庁
ここでは、社会保険料控除の対象となる保険料の種類や、控除を受けるための条件、申告書の正しい記入方法について詳しく解説します。
社会保険料控除の対象となる社会保険料は、自分や生計を一にする親族のために、1年間に支払った額の全額です。この控除には限度額が設けられていないため、支払った金額をすべて所得から差し引けます。
たとえば、大学生時代に学生納付特例制度を利用し、後に子どもに代わって支払った国民年金保険料も控除対象です。
対象となる具体的なケースとしては、以下のようなものがあります。
控除の申告には、保険料を支払った機関から送付される「社会保険料控除証明書」が必要です。ただし、国民健康保険・介護保険・後期高齢者医療保険料などは控除証明書が発行されないため、領収証書や納付証明書で1年間の納付総額を確認し記入しましょう。
「社会保険料控除証明書」や納入告知書、領収証書などを確認しながら、社会保険料控除欄に必要事項を記入します。事前に保険料を支払った機関から届いた証明書類を準備しておきましょう。
① 国民年金、国民年金基金など社会保険の種類を記入します。 ② 保険料を支払った機関名を記入します。 ③ 自分の保険料の場合は自分の氏名、家族の保険料の場合は家族の氏名を記入します。 ④ ③との続柄を記入します。 ⑤ 控除証明書から「合計額」を転記します(1月から12月までの1年間で支払う予定の合計額を記入する)。
年末調整時に、保険料控除申告書を給与支払者(会社など)へ提出します。申告書に記載する内容は、社会保険料の種類、支払先、社会保険料を負担している人の名前と続柄、支払った社会保険料の金額です。国民年金の場合は、支払いを証明する書類も一緒に会社へ提出します。
※フリーランス・個人事業主の方は、確定申告することで社会保険料控除を受けられます。国民年金保険料の支払いについては、支払いを証明する書類を確定申告書に添付する必要があります。
参照)社会保険料控除|所得税|国税庁
A社を辞め、数ヶ月の無職期間を経て、その年の途中でB社に入社したとします。B社では、前職(A社)の源泉徴収票に記載された社会保険料とB社に入社後の社会保険料を合算して、年末調整します。この場合、無職期間中に社会保険料を支払っていたとしても、その事実をB社が把握できないため、年末調整などの際に自ら申告して控除を受ける必要があります。
小規模企業共済等掛金控除は、特定の共済制度や年金制度への掛金を所得から差し引くことで、税負担を軽減する制度です。この控除を適切に活用することで、所得税や住民税の負担を抑えられます。
以下では、小規模企業共済等掛金控除の対象となる掛金の種類や、控除を受けるための条件、申告書の正しい記入方法について詳しく解説します。
小規模企業共済等掛金控除の対象となる掛金は、以下のとおりです。
これらの掛金は、1月から12月までの1年間に支払った全額が控除の対象となります。ただし、給与や賞与から天引きされる分以外の、自分で直接支払った掛金のみが申告の対象となることに注意が必要です。
また、社会保険料控除とは異なり、この控除は自分名義の、自分が支払った額のみが対象となります。従業員本人が支払った場合でも、本来生計を一にする親族が負担すべき掛金は控除できません。
小規模企業共済等掛金控除の申告には、各機関から送付される払込証明書が必要です。この証明書に記載された年間の支払額を、控除申告書の該当欄に種類別に記入します。
① 支払っている掛金の種類を記入します(控除証明書から金額を転記)。 ② ①の合計額を記入します。
小規模企業共済等掛金払込証明書は、申告書と一緒に勤務先に提出するようにしましょう。
勤務先で年末調整を受ける場合は、給与所得者の保険料控除申告書に「小規模企業共済掛金払込証明書」などの証明書を添付して給与支払者(勤務先)に提出するか、または提示します。確定申告する場合は、確定申告書の小規模企業共済等掛金控除の欄に記入し、「小規模企業共済掛金払込証明書」などの証明書を確定申告書に添付するか提示します。
参照)小規模企業共済等掛金控除|所得税|国税庁
年末調整とは、給与所得者のその年分の所得税額を確定させ、過不足を精算する手続きのことです。毎月の給与から源泉徴収されている所得税はあくまで概算であるため、1年間の給与収入が確定する年末に正しい税額を計算し直す必要があります。
年末調整は多くの企業では10〜11月頃から準備を始め、従業員から必要書類を回収して計算します。税務署への納付は、原則として翌年1月10日までに完了しなければなりません。
年末調整により払いすぎた税金は還付、不足分は追加で徴収されるため、多くの給与所得者は自身で確定申告をする手間を省けます。
令和7(2025)年分からは、所得税の負担軽減を目的とした基礎控除額・給与所得控除額の引き上げや、大学生年代(19歳以上23歳未満)の扶養に関する新たな特例(特定親族特別控除)などの税制改正が反映されています。
年末調整と確定申告の違いは、手続きを誰がするかという点にあります。
年末調整は会社員や公務員などの給与所得者を対象として勤務先が計算や納税を代行する制度です。一方、確定申告は主に個人事業主やフリーランスが、自分で1年間の所得を計算し、税務署へ申告・納税する手続きです。
スケジュール面では、年末調整は10月から11月に書類の準備をし、原則として翌年1月10日までに会社が納付を終えます。一方、確定申告は原則として翌年2月16日から3月15日の期間に本人が申告しなければなりません。
また、給与所得者であっても年収が2,000万円を超える場合や、副業所得が20万円を超える場合などは年末調整の対象外となり、自身で確定申告をする必要があります。
年末調整では、会社に申告書を提出することで主に以下の所得控除を受けられます。
これらの控除を受けるためには、扶養控除等(異動)申告書や保険料控除申告書などの申告書のうち該当する申告書に記入し、期限内に勤務先へ提出する必要があります。
医療費控除や寄附金控除などは年末調整では対応できず、個人で確定申告をする必要があります。年末調整で対応できない主な控除は、以下のとおりです。
これらの控除は、医療費控除の明細書や寄附金受領証明書などの個別の証明書類を添付し、翌年の確定申告期間中に自身で手続きをする必要があります。
年末調整では、給与から差し引かれている税額を適切に計算するため、保険料控除申告書のほかにも従業員が提出すべき書類がいくつかあります。
必要となる申告書は、適用を受ける控除の内容や本人の状況によって異なるため、あらかじめ把握しておくことが重要です。ここでは、年末調整に際して提出が必要となる代表的な申告書を解説します。
※国税庁|令和8年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書を引用して加工
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書は、主たる給与の支払を受ける給与所得者が、扶養控除や障害者控除などを受けるために、扶養親族の有無にかかわらず原則として提出が必要な書類です。
この申告書には、扶養親族の氏名やマイナンバー、所得見積額などを記入し、結婚・出産など年途中の異動があれば、その都度この申告書で申告します。
また、本人や親族が障害者や寡婦、ひとり親、勤労学生に該当する場合の控除申請もこの申請書に記載します。
※国税庁|令和7年分 給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 給与所得者の特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書を引用して加工
基礎控除や配偶者控除にまつわる申告書には、「給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼給与所得者の特定親族特別控除申告書兼所得金額調整控除申告書」があります。
主たる給与を支払う会社に対して提出することが義務づけられている書類であり、以下に挙げる4種類の申告書の兼用となっています。
※令和7(2025)年分から新たに追加されています。
※国税庁|〇 給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書兼(特定増改築等)住宅借入金等特別控除計算明細書を引用して加工
住宅借入金等特別控除申告書は、住宅ローンを利用してマイホームを取得した場合に、所得税の控除を受けるための書類です。控除を受ける初年度は確定申告が必要ですが、2年目以降は年末調整で手続きできます。
申告の際は、申告書に金融機関が発行する住宅ローン残高証明書を添付して勤務先へ提出します。近年では、マイナポータル連携による電子提出も可能です。
令和7(2025)年分の年末調整では、所得税に関する複数の重要な制度改正が実施されました。具体的には、基礎控除および給与所得控除の引き上げに加え、新たな控除制度が導入されています。
これらの改正は、「年収の壁」問題への対応や物価上昇を踏まえた負担軽減を目的としたもので、幅広い給与所得者に影響を及ぼす内容です。
令和7(2025)年分の年末調整における主な見直しポイントは、次の点です。
以下、それぞれの内容を詳しく解説します。
令和7(2025)年の改正では、基礎控除および給与所得控除の最低保障となる金額が、それぞれ10万円増額されています。
基礎控除は、合計所得金額に応じて控除額が設定される仕組みとなっており、たとえば合計所得金額が132万円以下(給与収入が200万3,999円以下)の場合、控除額は95万円となります。これは、改正後の基礎控除額58万円に、加算額37万円を上乗せした金額です(改正前は48万円)。
また、合計所得金額が132万円を超え655万円以下(給与収入が200万3,999円超850万円以下)の層については、令和7・8(2025・2026)年分の2年間に限り、基礎控除額58万円に一定額を加算する暫定措置が設けられています。
あわせて、給与所得控除の最低保障額も見直され、給与等の収入金額が190万円以下の場合、65万円となりました。
令和7(2025)年分から、19歳以上23歳未満の親族(特定親族)を扶養する人を対象に、「特定親族特別控除」が新たに設けられました。
この制度では、特定親族の合計所得金額が58万円を超え123万円以下(給与収入のみの場合は123万円超188万円以下)の場合に、所得金額に応じた控除を受けられます。控除額は段階的に設定されており、3万円から最大63万円までの範囲です。
基礎控除の引き上げに伴い、扶養控除などの対象となる親族の所得要件も緩和されています。
「扶養親族」「同一生計配偶者」「ひとり親の生計を一にする子」については、合計所得金額の上限が48万円以下から58万円以下へと引き上げられました。給与収入のみの場合は、対象となる年収が123万円以下です(従来は103万円以下)。
配偶者特別控除の対象となる配偶者についても要件が見直され、合計所得金額が58万円超133万円以下(給与収入のみの場合は123万円超201万5,999円以下)まで拡大されました。
さらに、勤労学生に関する所得要件も引き上げられ、合計所得金額85万円以下(給与収入のみの場合は150万円以下)まで認められています。
保険料控除申告書は、年末調整や確定申告の際に重要な役割を果たします。「生命保険料控除」「地震保険料控除」「社会保険料控除」「小規模企業共済等掛金控除」など、さまざまな控除を正しく理解し、適切に申告することにより所得税の負担軽減が可能です。
各控除の対象や限度額、申告欄の書き方を正確に把握し、必要な証明書類を準備するようにしましょう。生命保険料控除については、新旧制度の違いに注意が必要です。
控除を最大限に活用するためには、日ごろから保険料の支払状況を把握し、控除証明書をしっかりと保管しておくことが大切です。適切な保険料控除によって賢く節税し、経済的負担を軽減しましょう。
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保険料控除申告書は、年末調整の際に保険料控除を受けるために必要な書類です。正確に記入することで、生命保険や地震保険、社会保険などの支払いに対して税金の負担を軽減できます。しかし、申告書の書き方や控除額の計算に不安を感じる方も多いのではないでしょうか。本記事では、保険料控除申告書の書き方や年末調整時の注意点についてわかりやすく解説します。
目次
「給与所得者の保険料控除申告書」とは
※国税庁|令和7年分給与所得者の保険料控除申告書を引用して加工
給与所得者の保険料控除申告書は、従業員が年末調整で所得控除を受けるために必要な書類です。
この書類には、「生命保険料控除」「地震保険料控除」「社会保険料控除」「小規模企業共済等掛金控除」の4つの控除対象となる保険料について、支払った金額を記載します。
給与を支払う側は、扶養控除や基礎控除、配偶者控除などの書類と一緒に年末調整し、従業員ごとの所得税を確定させる流れです。
生命保険や地震保険、iDeCoに加入し掛金を支払っている場合、この申告書を提出することで、一定額を所得から控除できます。
「生命保険料控除」の対象と申告欄の書き方
生命保険料控除は、支払った生命保険料に応じて一定額が所得から差し引かれます。適切な手続きにより、所得税や住民税の負担軽減が可能です。ここでは、対象となる保険の種類や要件、申告の手順について詳しく解説します。
生命保険料控除の対象
生命保険、介護医療保険については、保険金受取人が契約者か配偶者、その他の親族である保険が生命保険料控除の対象になります。財形保険や団体信用生命保険などは、生命保険料控除の対象になりません。個人年金保険についても、年金受取人が契約者またはその配偶者であり、保険料払込期間が10年以上であることなど、生命保険料控除の対象となる条件があります。
生命保険料控除の控除額
生命保険料控除は、新制度と旧制度の両方で運用されています(平成22年度の税制改正により)。平成23年12月31日までに契約した場合(旧制度)と、平成24年1月1日以降に契約した場合(新制度)とで、生命保険料控除の控除額の計算方法が異なります。
生命保険料控除欄の書き方
生命保険料控除欄の記入は、保険会社から送付される「生命保険料控除証明書」を参照しながら記入していきましょう。
この欄は「一般の生命保険料」「介護医療保険料」「個人年金保険料」の3種類に分かれており、さらに加入時期によって旧制度と新制度に区分されます。ただし、介護医療保険料は新制度のみが対象です。
控除証明書には、1月1日から12月31日までの1年間に支払った保険料が記載されています。これらの情報をもとに、以下の手順で申告書に記入していきましょう。
【記入方法】
① 控除証明書を確認して保険会社名を記入しましょう。
② 控除証明書から保険の種類(終身保険や定期保険など)を確認し、記入します。
③ 保険期間や年金支払期間も、控除証明書で確認して記入します。
④ 契約者名を控除証明書から確認します。契約者が家族の場合でも、自分が保険料を支払っていれば記載できます。その際は、契約者の名前を記入します。
⑤ 受取人名は保険証券などで確認し、記入しましょう。
⑥ 受取人との続柄を記載します。
⑦ 控除証明書で確認し、「新制度」か「旧制度」に〇をつけます。
⑧ その年の1月1日から12月31日までに支払った保険料の合計額を記入します。
⑨ 新制度の保険料の合計額を記入します。
⑩ 旧制度の保険料の合計額も記入します。
⑪ ⑨の新制度の金額を計算式Iに当てはめ、計算して1円未満の端数を切り上げます。
⑫ ⑩の旧制度の金額も計算式Iに当てはめて1円未満の端数を切り上げます。
⑬ ⑪と⑫で算出した金額を合計し、40,000円を超える場合は40,000円と記入します。
⑭ ⑫と⑬のうち、大きいほうの金額を記入します。
⑮⑯「一般の生命保険料控除」も(①~⑭)と同様に記入します。
⑰ ⑭⑮⑯の合計額を記入し、120,000円を超える場合は120,000円と記入します。
新旧制度:生命保険料控除の限度額
生命保険料控除は、2010年の税制改正により変更され、2012年から新たな制度が導入されました。この変更に伴い、2011年12月31日以前に契約された保険には旧制度が、2012年1月1日以降の契約には新制度が適用されることになっています。
新制度では、「介護医療保険料控除」が新たに加わった点が旧制度との大きな違いです。
また、新制度の導入により控除額の上限も増加しましたが、旧制度に基づく契約が続いている場合、そのまま旧制度が適用されます。そのため、契約の時期によっては新旧両方の制度を併用して控除を受けるケースもあります。
ただし、2012年1月1日以降に契約の更新や転換、特約の追加をした場合、その契約全体が新制度の対象となるため注意が必要です。
新制度の控除額の表
生命保険料控除は、年間の保険料総額によって所得控除額が変わります。以下の表は、新制度(平成24年1月1日以降に契約した保険)における保険料総額と控除額を対比した表です。
生命保険料控除を受けるには
勤務先で年末調整する場合は、保険料控除申告書に記入して勤務先に提出します。確定申告するのであれば、確定申告書の生命保険料控除に記入して生命保険料控除証明書を添付します。あるいは、確定申告書の提出時に生命保険料控除証明書を提示します。
生命保険料控除証明書とは
保険会社から発行される書類です。生命保険料の支払金額や、生命保険料控除を受けられることを証明できます。10月頃に保険会社から送られてくるため、大切に保管しておきましょう。紛失時には再発行してもらえますが、年末調整や確定申告の期限ぎりぎりになっての再発行となると、間に合わないかもしれませんので要注意です。
参考)生命保険料控除|所得税|国税庁
「地震保険料控除」の対象と申告欄の書き方
地震保険料控除の対象と申告欄の書き方について、まず控除の対象となる保険料について確認する必要があります。
地震保険料控除の対象
地震保険料控除は、その年に支払った地震保険料の一部を所得から差し引ける制度です。対象となるのは、火災保険に付随している地震保険の保険料や掛金であり、火災保険そのものの保険料は含まれないため注意しましょう。
控除対象となる保険契約は、契約者本人や生計をともにしている配偶者や親族が所有し、日常的に住居として使用している建物や家財が対象です。収益を得ることを目的とした賃貸物件や別荘などの地震保険料は、控除の対象外となります。
地震保険料控除の控除額
所得税で年間払込保険料の全額(最高5万円)、住民税で年間払込保険料の2分の1(最高2万5000円)です。
地震保険料控除欄の書き方
地震保険料控除については、保険料控除申告書の右上に記入欄があります。生命保険料控除と同様に、保険会社から送られてくる地震保険料控除証明書の内容を、以下の表の番号の順に記入をしていきましょう。
① 保険会社名を控除証明書で確認して記入します。
② 地震保険や積立傷害保険など、保険の種類を控除証明書で確認して記入します。
③ 保険期間を控除証明書で確認して記入します。
④ 契約者名を控除証明書で確認して記入します。家族が契約者の場合でも、保険料を支払っていれば契約者の名前で記入可能です。
⑤ 保険対象の家屋や家財を利用している居住者の名前を記入します。
⑥ ⑤の人物との続柄を記入します。
⑦ 地震保険料または旧長期損害保険料の該当項目に〇をつけます。
⑧ 年末までに支払う予定の保険料額(申告額)を記入します。
⑨ ⑧のうち地震保険料の合計額を記入します。
⑩ ⑧のうち旧長期損害保険料の合計額を記入します。
⑪ ⑨の金額を記入します(50,000円を超える場合は50,000円)。
⑫ ⑩を記入します(10,000円を超える場合は、⑩×1/2+5,000円の金額)(15,000円を超える場合は、15,000円)。
⑬ ⑪と⑫の合計を記入します(両者の合計の限度額は50,000円)。
地震保険料控除を受けるには
年末調整する場合は、保険料控除申告書を勤務先に提出します。確定申告する場合は、確定申告書に地震保険料控除について記入します。そして、地震保険料の支払金額や地震保険料控除を受けられることを証明する書類を確定申告書に添付するか、確定申告の際に提示します。
参考)地震保険料控除|所得税|国税庁
「社会保険料控除」の対象と申告欄の書き方
ここでは、社会保険料控除の対象となる保険料の種類や、控除を受けるための条件、申告書の正しい記入方法について詳しく解説します。
社会保険料控除の対象となる社会保険料
社会保険料控除の対象となる社会保険料は、自分や生計を一にする親族のために、1年間に支払った額の全額です。この控除には限度額が設けられていないため、支払った金額をすべて所得から差し引けます。
たとえば、大学生時代に学生納付特例制度を利用し、後に子どもに代わって支払った国民年金保険料も控除対象です。
対象となる具体的なケースとしては、以下のようなものがあります。
控除の申告には、保険料を支払った機関から送付される「社会保険料控除証明書」が必要です。ただし、国民健康保険・介護保険・後期高齢者医療保険料などは控除証明書が発行されないため、領収証書や納付証明書で1年間の納付総額を確認し記入しましょう。
社会保険料控除欄の書き方
「社会保険料控除証明書」や納入告知書、領収証書などを確認しながら、社会保険料控除欄に必要事項を記入します。事前に保険料を支払った機関から届いた証明書類を準備しておきましょう。
① 国民年金、国民年金基金など社会保険の種類を記入します。
② 保険料を支払った機関名を記入します。
③ 自分の保険料の場合は自分の氏名、家族の保険料の場合は家族の氏名を記入します。
④ ③との続柄を記入します。
⑤ 控除証明書から「合計額」を転記します(1月から12月までの1年間で支払う予定の合計額を記入する)。
社会保険料控除を受けるには
年末調整時に、保険料控除申告書を給与支払者(会社など)へ提出します。申告書に記載する内容は、社会保険料の種類、支払先、社会保険料を負担している人の名前と続柄、支払った社会保険料の金額です。国民年金の場合は、支払いを証明する書類も一緒に会社へ提出します。
※フリーランス・個人事業主の方は、確定申告することで社会保険料控除を受けられます。国民年金保険料の支払いについては、支払いを証明する書類を確定申告書に添付する必要があります。
参照)社会保険料控除|所得税|国税庁
無職期間中に社会保険料を支払った場合
A社を辞め、数ヶ月の無職期間を経て、その年の途中でB社に入社したとします。B社では、前職(A社)の源泉徴収票に記載された社会保険料とB社に入社後の社会保険料を合算して、年末調整します。この場合、無職期間中に社会保険料を支払っていたとしても、その事実をB社が把握できないため、年末調整などの際に自ら申告して控除を受ける必要があります。
「小規模企業共済等掛金控除」の対象と申告欄の書き方
小規模企業共済等掛金控除は、特定の共済制度や年金制度への掛金を所得から差し引くことで、税負担を軽減する制度です。この控除を適切に活用することで、所得税や住民税の負担を抑えられます。
以下では、小規模企業共済等掛金控除の対象となる掛金の種類や、控除を受けるための条件、申告書の正しい記入方法について詳しく解説します。
小規模企業共済等掛金控除の対象になる掛金
小規模企業共済等掛金控除の対象となる掛金は、以下のとおりです。
これらの掛金は、1月から12月までの1年間に支払った全額が控除の対象となります。ただし、給与や賞与から天引きされる分以外の、自分で直接支払った掛金のみが申告の対象となることに注意が必要です。
また、社会保険料控除とは異なり、この控除は自分名義の、自分が支払った額のみが対象となります。従業員本人が支払った場合でも、本来生計を一にする親族が負担すべき掛金は控除できません。
小規模企業共済等掛金控除欄の書き方
小規模企業共済等掛金控除の申告には、各機関から送付される払込証明書が必要です。この証明書に記載された年間の支払額を、控除申告書の該当欄に種類別に記入します。
① 支払っている掛金の種類を記入します(控除証明書から金額を転記)。
② ①の合計額を記入します。
小規模企業共済等掛金払込証明書は、申告書と一緒に勤務先に提出するようにしましょう。
小規模企業共済等掛金控除を受けるためには
勤務先で年末調整を受ける場合は、給与所得者の保険料控除申告書に「小規模企業共済掛金払込証明書」などの証明書を添付して給与支払者(勤務先)に提出するか、または提示します。確定申告する場合は、確定申告書の小規模企業共済等掛金控除の欄に記入し、「小規模企業共済掛金払込証明書」などの証明書を確定申告書に添付するか提示します。
参照)小規模企業共済等掛金控除|所得税|国税庁
年末調整に関する基礎知識
年末調整とは、給与所得者のその年分の所得税額を確定させ、過不足を精算する手続きのことです。毎月の給与から源泉徴収されている所得税はあくまで概算であるため、1年間の給与収入が確定する年末に正しい税額を計算し直す必要があります。
年末調整は多くの企業では10〜11月頃から準備を始め、従業員から必要書類を回収して計算します。税務署への納付は、原則として翌年1月10日までに完了しなければなりません。
年末調整により払いすぎた税金は還付、不足分は追加で徴収されるため、多くの給与所得者は自身で確定申告をする手間を省けます。
令和7(2025)年分からは、所得税の負担軽減を目的とした基礎控除額・給与所得控除額の引き上げや、大学生年代(19歳以上23歳未満)の扶養に関する新たな特例(特定親族特別控除)などの税制改正が反映されています。
年末調整と確定申告の違い
年末調整と確定申告の違いは、手続きを誰がするかという点にあります。
年末調整は会社員や公務員などの給与所得者を対象として勤務先が計算や納税を代行する制度です。一方、確定申告は主に個人事業主やフリーランスが、自分で1年間の所得を計算し、税務署へ申告・納税する手続きです。
スケジュール面では、年末調整は10月から11月に書類の準備をし、原則として翌年1月10日までに会社が納付を終えます。一方、確定申告は原則として翌年2月16日から3月15日の期間に本人が申告しなければなりません。
また、給与所得者であっても年収が2,000万円を超える場合や、副業所得が20万円を超える場合などは年末調整の対象外となり、自身で確定申告をする必要があります。
年末調整で受けられる所得控除一覧
年末調整では、会社に申告書を提出することで主に以下の所得控除を受けられます。
老人控除対象配偶者:最大48万円
特定扶養親族(19歳以上23歳未満):63万円
老人扶養親族(同居老親等以外):48万円
同居老親等:58万円
特別障害者:40万円
同居特別障害者:75万円
これらの控除を受けるためには、扶養控除等(異動)申告書や保険料控除申告書などの申告書のうち該当する申告書に記入し、期限内に勤務先へ提出する必要があります。
年末調整で受けられない所得控除一覧
医療費控除や寄附金控除などは年末調整では対応できず、個人で確定申告をする必要があります。年末調整で対応できない主な控除は、以下のとおりです。
①(損害金額+災害等関連支出の金額-保険金等の額)-(総所得金額等)×10%
②(災害関連支出の金額-保険金等の額)-5万円
これらの控除は、医療費控除の明細書や寄附金受領証明書などの個別の証明書類を添付し、翌年の確定申告期間中に自身で手続きをする必要があります。
年末調整に必要な保険料控除申告書以外の書類
年末調整では、給与から差し引かれている税額を適切に計算するため、保険料控除申告書のほかにも従業員が提出すべき書類がいくつかあります。
必要となる申告書は、適用を受ける控除の内容や本人の状況によって異なるため、あらかじめ把握しておくことが重要です。ここでは、年末調整に際して提出が必要となる代表的な申告書を解説します。
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
※国税庁|令和8年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書を引用して加工
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書は、主たる給与の支払を受ける給与所得者が、扶養控除や障害者控除などを受けるために、扶養親族の有無にかかわらず原則として提出が必要な書類です。
この申告書には、扶養親族の氏名やマイナンバー、所得見積額などを記入し、結婚・出産など年途中の異動があれば、その都度この申告書で申告します。
また、本人や親族が障害者や寡婦、ひとり親、勤労学生に該当する場合の控除申請もこの申請書に記載します。
基礎控除や配偶者控除にまつわる申告書
※国税庁|令和7年分 給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 給与所得者の特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書を引用して加工
基礎控除や配偶者控除にまつわる申告書には、「給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼給与所得者の特定親族特別控除申告書兼所得金額調整控除申告書」があります。
主たる給与を支払う会社に対して提出することが義務づけられている書類であり、以下に挙げる4種類の申告書の兼用となっています。
※令和7(2025)年分から新たに追加されています。
住宅借入金等特別控除申告書
※国税庁|〇 給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書兼(特定増改築等)住宅借入金等特別控除計算明細書を引用して加工
住宅借入金等特別控除申告書は、住宅ローンを利用してマイホームを取得した場合に、所得税の控除を受けるための書類です。控除を受ける初年度は確定申告が必要ですが、2年目以降は年末調整で手続きできます。
申告の際は、申告書に金融機関が発行する住宅ローン残高証明書を添付して勤務先へ提出します。近年では、マイナポータル連携による電子提出も可能です。
2025年(令和7年分) 年末調整の変更点
令和7(2025)年分の年末調整では、所得税に関する複数の重要な制度改正が実施されました。具体的には、基礎控除および給与所得控除の引き上げに加え、新たな控除制度が導入されています。
これらの改正は、「年収の壁」問題への対応や物価上昇を踏まえた負担軽減を目的としたもので、幅広い給与所得者に影響を及ぼす内容です。
令和7(2025)年分の年末調整における主な見直しポイントは、次の点です。
以下、それぞれの内容を詳しく解説します。
基礎控除・給与所得控除の見直し
令和7(2025)年の改正では、基礎控除および給与所得控除の最低保障となる金額が、それぞれ10万円増額されています。
基礎控除は、合計所得金額に応じて控除額が設定される仕組みとなっており、たとえば合計所得金額が132万円以下(給与収入が200万3,999円以下)の場合、控除額は95万円となります。これは、改正後の基礎控除額58万円に、加算額37万円を上乗せした金額です(改正前は48万円)。
また、合計所得金額が132万円を超え655万円以下(給与収入が200万3,999円超850万円以下)の層については、令和7・8(2025・2026)年分の2年間に限り、基礎控除額58万円に一定額を加算する暫定措置が設けられています。
あわせて、給与所得控除の最低保障額も見直され、給与等の収入金額が190万円以下の場合、65万円となりました。
特定親族特別控除の創設
令和7(2025)年分から、19歳以上23歳未満の親族(特定親族)を扶養する人を対象に、「特定親族特別控除」が新たに設けられました。
この制度では、特定親族の合計所得金額が58万円を超え123万円以下(給与収入のみの場合は123万円超188万円以下)の場合に、所得金額に応じた控除を受けられます。控除額は段階的に設定されており、3万円から最大63万円までの範囲です。
扶養親族等の所得要件の緩和
基礎控除の引き上げに伴い、扶養控除などの対象となる親族の所得要件も緩和されています。
「扶養親族」「同一生計配偶者」「ひとり親の生計を一にする子」については、合計所得金額の上限が48万円以下から58万円以下へと引き上げられました。給与収入のみの場合は、対象となる年収が123万円以下です(従来は103万円以下)。
配偶者特別控除の対象となる配偶者についても要件が見直され、合計所得金額が58万円超133万円以下(給与収入のみの場合は123万円超201万5,999円以下)まで拡大されました。
さらに、勤労学生に関する所得要件も引き上げられ、合計所得金額85万円以下(給与収入のみの場合は150万円以下)まで認められています。
保険料控除申告書まとめ
保険料控除申告書は、年末調整や確定申告の際に重要な役割を果たします。「生命保険料控除」「地震保険料控除」「社会保険料控除」「小規模企業共済等掛金控除」など、さまざまな控除を正しく理解し、適切に申告することにより所得税の負担軽減が可能です。
各控除の対象や限度額、申告欄の書き方を正確に把握し、必要な証明書類を準備するようにしましょう。生命保険料控除については、新旧制度の違いに注意が必要です。
控除を最大限に活用するためには、日ごろから保険料の支払状況を把握し、控除証明書をしっかりと保管しておくことが大切です。適切な保険料控除によって賢く節税し、経済的負担を軽減しましょう。